2021年03月01日

新刊

柴田書店さんから新刊です。

新刊ですが、中身は10年前の焼き直しです。

 

上下巻での発刊で、上巻はテリーヌ、パテ、パイ料理編です。

自慢になりますが、私がブッチギリの掲載点数です。

下巻はコンフィやリエットなどとなります。

 

ジャンルだけを見るとシャルキュトリー本かと思われそうですが、これはシャルキュトリーをガストロノミーに昇華させたらどうなるか、というマニアックものです。

素人が見ても何の役にも立ちません。

要するに、レストランのシェフにシャルキュトリーのお題を丸投げしてレストランの皿盛り料理を撮影するという流れです。

シャルキュトリーはそれはそれで深くて広い宇宙が存在するのですが、日本で食肉加工を極めようと思う人が少ないのは悲しいことです。何でもかんでもレストラン料理に集約させるのはなぜなのかが昔から疑問でした。

受け手の熟成が足りないというのも理由の一つとしてあるでしょうし、シャルキュトリー業界の悪習である化学添加物崇拝と許認可が面倒というのもあるでしょう。

 

手間と時間をかけ、超長期熟成による乳酸発酵まで視野に入れて逆算して作られた悶絶級の旨さのテリーヌを食べたくなるのは私だけなのでしょうか。

私の料理ルセットの行間を読むならば、テリーヌとはシャルキュトリーであり、プロセスこそが真髄、正しいプロセスを踏んだものは完璧な旨さの美しい料理なのでソースもガルニも必要なし、と頑なに無骨でシンプルな皿を展開してます。

 

 

2021年02月28日

ビビってしまったのです。

‌今日で神奈川県の狩猟期間は終了。

今日は休みだったので、あらかじめ家族には今期最終日はとってきた鹿肉でバーベキューやろうぜ、と話していたものの、当日を迎える前に行く気が完全に失せた。

 

猛烈に怖くなり、とにかく気が重い。

要するにビビってしまったのです。

去年、山梨で親子の鹿に遭遇し、どちらを狙うか一瞬迷い、そして小鹿を撃った。

肉が多く取れそうな母親ではなく、味の良さそうな子供を選んだのです。

 

当たった手応えがあったので急いで現場に急行し、飛んだと思われる方向に進もうとしたところ、その場に一歳半〜二歳らしきオスの小鹿が倒れていた。

射撃の未熟な私としては完全にまぐれで首に命中、既に虫の息だった。

ヘッドロックした首にナイフを当てて放血し、すぐに腹を出して冷却。素手で触った内臓は熱いくらいに温かく、猛烈な寒さの中で濛々と湯気を出していた。

遠くで母鹿が何度も何度も鳴いている。

いなくなった子供を呼んでいるのか、子を奪った私を責めているのか。

母を奪われる子の気持ちにたっても、子を奪われた親の立場にたってもズキンと心が痛い。

私が山に行かなければあの小鹿は死ななくて済んだ。わざわざ撃ちに行かなくてもスーパーに切り身が売っているにも関わらず。

しかし自分の手を汚すのと、効率化を隠れ蓑に嫌なことをタッチせずに旨い不味いだと勝手な事を言うのとでは、どちらが野蛮なのだろうと時々思うのです。

私はまだまだ都市型野蛮人要素が抜けてないんですね。

サステナブルとは、サラサラツルツルを否定し、ベトベトでヌルヌルを肯定するという事です。

料理はすぐに結果が出るという点において、メリットとデメリットが共存しますが、デメリットの方はあまり意識されません。

生きていた動物が素材となるプロセスが完全に抜け落ちてしまうため、身体性が極端に欠落しているのです。私を含め現代の料理人と呼ばれる人種はほぼ全員そうです。素材に対する身体性が欠如していても本当にその人の料理と言えるのか?

料理自体を作って食べるのは一瞬ですが、素材としてキッチンに運ばれてくる前には気の遠くなるような時間軸での営みがあります。

私の畑で1週間前に種まきした小松菜がやっと芽を出しました。

今日はカブとニンジン、じゃがいもを植えました。食べられるのはいつになるやら。

 

来週からは子供と海で夕飯を調達するというミッションがスタートします。

幸い、自宅から歩いて海まで行けるので、魚が食べたい日は自分で釣ってくる、もし釣れなければ仕方なく買ってくる、というルールにしようかと。

 

 

 

2021年02月27日

本が出ます

今回はプロ向けの分厚いヤツです。

とはいえ、10年前に撮影した料理なので古いと言えば古い。

しかし、実は今とあんまり変わってないんですね。良い料理作ってます。

そもそも、料理に新しいも古いもないんじゃね?って思ってたりして。

フランス料理は完全に体系化されている技法なので、ある意味で再現性が高く、それでいて基本を踏襲していればそこに個性を重ねることも出来ます。

何をもってフランス料理とするかを理解していれば、どんな人種がどこでどんな食材を使ってもフランス料理になるわけです。

最近はフランス料理をキチンと出す店が東京にほとんどなくなってしまい、ほとんど食べられなくなってしまった。求められてないし、作れる人も数えるほどしか居ないですし。

いつからフランス料理の看板出して、ムニュの最後に米料理出すようになったんでしょうか。

フランス料理やる人が絶滅危惧種なのに、プロ向けの本が売れるかどうか微妙です。

 

先日、私の最新本が台湾と中国で翻訳が決まりました。

フランス料理の分野でも中国や台湾に抜かれるのも時間の問題でしょう。

 

 

私は単著で7冊出して、もう出涸らしのお茶です。引き出しが枯れました。

今回は共著で、いろんな人と一緒に載ってます。共著は数え切れないくらい出してますのでカウントしません。

本が出せるってのは自分なりに結果残せたと思っています。私が死んでも本は残りますからね。

 

そうそう、来月のオレンジページは私が表紙から12ページ担当しました。

表紙はananみたいにセクシーポーズで出るかも知れません。

 

 

 

 

 

 

2021年02月19日

こんばんは

お久しぶりです。

また間が空いてます。

とにかくバタバタしてて、レストランの宣伝も必要ないのでブログネタになるような事が特にありません。

ブログ更新してね、と言われることも多いので、

レストランが無いからこそ、頭の中をそのままコツコツ書くいい機会になると思います。

今までは店でこんな事やります、あんな事出来ますよ的な話が多くて、商業と表現のアンバランスさに正直私も飽き飽きしてました。

 

さて、今回はテレビのご案内。

来週火曜日の夜8時45分からNHK総合で私のことを取り上げてくださいます。

テーマはSDGsの中の食品ロスについて。

そう、私のライフワーク。

SDG sが採択される5年前、2010年からやってる未活用食材と料理についてです。

便利な世の中のために生産現場のあらゆる事を効率化していった結果、そこからこぼれ落ち、田畑や海で廃棄されてしまう素材。

おいおい、マジかよ、こんな事やってたら目が潰れるんじゃねーの?

という素朴な疑問から始めたブランドがターブルオギノです。

 

そんな私のアツい想いなどを語っておりますので、是非ご覧ください。

2020年12月18日

リクエストにお応えして

サルースオンラインですが、ご存知の通り東急電鉄のメディアで、東急沿線のお客さんにいろんな商品を宅配します。

 

しかし、うちが本気でサルースオンラインやりはじめて、東急沿線以外のお客さん、もっと言うと東急はおろか、関東ではないエリアの方から配送してほしいという無茶な連絡が多発しているようです。

 

欲しがりですね〜、欲しがりますね〜。

 

という事で、来年早々にも全国発送可能になるみたいです。

今、その準備してくれてるみたいなのでしばしお待ちください。

 

 

それにしても忙しくてありがたい事です。

まだこの時間に仕事してます。

 

 

 

2020年12月16日

終わんねぇ…

 

300羽速攻で売れてしまったので、おかわりローストチキンを400羽。

帰れるんだろうか…

 

2020年12月14日

シラスのピッツァ

食肉加工と惣菜加工で鬼のように仕事してます。

 

 

さて、湘南エリアの皆さんに朗報です。

江ノ島ののシラス漁師、浜野水産。

こちらの朝獲れシラスをウチで冷凍ピッツァにしました。

朝、船から上げたやつをそのまま宅急便でアトリエに直送、すぐにピッツァにして急速冷凍して直ぐ返送。

 

 

 

江ノ島の浜野水産の店舗で販売してます。

オヌヌメの食べ方としては、このピッツァを買ってもらって、オーブンで5分焼いてから、同じく浜野水産で売ってる生シラスを追いシラスして生姜醤油をタラリ。

もう最高です。

ピッツァソースは味噌とサワークリームと青のりです。

私の独断で長ネギを乗せてます。

 

最初、100枚納品しましたが、その日に完売してしまったので、早速オカワリいただきまして、明日さらに200枚納品します。

 

そのうち、湘南ターブルでも食べられるようになるとかならないとか。

 

 

2020年12月11日

ありがとうございます

店舗が湘南しかないので、今年はローストチキンは通販です。

 

ハイ食材室、というサイトで野生キノコのリゾットをお腹の中に詰めたローストチキンを販売しました。

 

10日の午前0時から販売開始。

360羽限定でしたが、朝7時の時点で半分売れ、24時間待たずに完売しました。

ネット通販恐るべし。

 

という事で、急遽おかわりをご用意さることにしました。

 

あと300個個くらい頑張る予定です。

湘南でもスガちゃんが同じようなやつをやりますので、ご予約はお早めに。

 

 

他にもハイ食材室では面白い鍋セットやってます。

マグレ鴨の胸肉スライスと鴨出汁のセットです。鴨出汁は骨から丁寧に煮出したウチの特製スープです。倍量に薄めて鴨肉をシャブシャブしてください。

これは1000セット以上あるのでそんなに直ぐは売り切れないと思いますが、ネットの破壊力は凄いのでこちらもお早めに。

鴨シャブは長ネギと一緒に食べると悶絶しますよ。

 

来週あたりからテリーヌ類やリエット、レバームースも取り扱い始まります。

 

 

東急のギフトですが、25日まで受付してますので、クリスマスや正月用にもちょうどいいボリュームです。今日も100セット旅立ちました。

 

 

サルースオンラインでは、フルラインナップ以外にもクリスマスにオードブル盛り合わせを予約中です。23〜25日に自宅に届くタイプなので、ホームパーティーに是非。結構予約来てしまったのでそろそろ締め切るかもしれません。

 

という事で、私は死ぬほど忙しいです。

 

 

2020年12月10日

死ぬほど忙しい

店が湘南だけになって、さぞかし荻野はヒマこいて山に篭って遊んでるだろうと思われているとかいないとか。

 

もはやブログもサボりすぎて死亡説も飛び交うほど。

 

逆です。

死ぬほど忙しいんです。

今、私の仕事のメインは東急ベルのサルースオンライン、高級食材通販サイトのハイ食材室、そしてプロ向け業務用卸売と専門小売(高級スーパー)です。

なので上記のサイトから買ってください、って話ではなく、どちらかと言うと買わなくて良いです。

本当に吐きそうなくらい注文が次々と来て、納期が遅れ気味です。今日もギフト100セット出しましたが、まだまだ終わりそうもありません。

特に宣伝とかしてないのに見つけてくださり、ありがとうございます。

もうお腹いっぱいです。

 

プロ向け業務用とは、レストランやホテル専門の問屋に納品して全国の現場で使ってもらう商品なので、価格とクオリティには相当シビアです。

卸売を本気でやってみてわかった事がたくさんあり、これはこれで貴重な経験ですね。

 

小売も本気でやってみると勉強になる事が多く、今更ですがバーコードを商品に付ける方法やその手続きをシコシコやって、食品小売業界ってこういう風になってるんだ、と40歳過ぎて感動しております。

 

 

使う側、買う側が長かったので、使ってもらう側、買ってもらう側に立ってみると見える景色が全く違うんです。

2020年12月05日

本屋でキャンプ

キャンプは山や海でするもんですよね。

非日常空間で不便を楽しむ。

 

ならば!

本屋でキャンプしても良いじゃないか。

今日はそんな企画です。

 

 

ディナーはみんなでバーベキューしたいところですが、流石に火事になるとマズイので、ターブルオギノからアウトドアっぽいディナーのプレゼント。

 

鹿のテリーヌ

猪のカレー

穴熊のソーセージ

オーガニックデリ

鹿は良いとしても、猪と穴熊はお客さんにドン引きされないか若干不安ですが、ここは見習いマタギのプライドに賭けて振り切ったメニューにしました。

 

 

私にとってキャンプとか登山とは衣食住を自力で担ぎ上げる事と定義してますが、ここはナンチャッテキャンプとしてご愛嬌。

 

 

 

 

« 前へ | 次へ »