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2021年10月25日

ツキノワグマ

の手と足があるんですけど、料理したら誰か買ってくれますかね?

 

結構デカイです。

 

前足と後ろ足の合計4個。

 

出所は秘密です。

 

 

 

よく中国料理で食べられるんですが,日本では阿仁マタギの特攻隊長みたいな人が味噌鍋にして食べるって言ってましたね。

フランス料理で熊を食うのは聞いたことないです。

 

私も一度だけ熊をバラしたことがありますが、これがなかなかサイズ的にも骨格的にも人間ぽくてシンドい。

脂の層が厚く、なかなかナイフの刃が入らず、脂が付くと途端に切れなくなりますので、お湯でナイフを洗いながらバラします。

 

先日、ミッドサマーという映画を観て思い出しました。

それにしてもミッドサマー、とんでもなくハマった映画で、好きな映画ランキング上位に入りました、と言ったら相当頭おかしいと思われても仕方ありませんね。

あまりにも素晴らしいので、もう3回見ましたよ。

あの映画はホラーと言われますが,ホラーではなく、ヒューマンドラマとファンタジーとキューブリックを足して3で割らない感じです。

 

 

ジビエ料理って、ヨーロッパの貴族趣味から宮廷料理に洗練され体系化されたもので、辻静雄のフランス料理研究書には、孔雀や白鳥を料理した後、もう一度羽毛を付け直して元の姿に戻すという変態的ピエスモンテな料理もデカデカと載ってます。

ロシア式サービスが一般化する前の宮廷的な料理は旨そうかどうかでいうと旨そうでは無い気がしますが、洗練された料理技法としては最高峰だとは思います。

マタギ料理は殆どが味噌鍋的なごった煮、アイヌ料理もオハウという鍋系の汁物にいくので、興味としてはやはりヨーロッパの食べ方の方が面白いです。

ただし、以前阿仁マタギの猟友会会長に聞いたウサギの食べ方には度肝を抜かれました。

元々秋田県北部は家畜として家ウサギも食べる習慣がある地域で、野うさぎもたくさん獲れます。

野ウサギは獲ってすぐに腹を割き、内臓を引きずり出します。

その中で一番美味いとされるのが消化器官の末端の大腸の内容物。

要するにほぼウンコなのですが,外に出てないのでウンコでは無い。

これはあくまでもマタギの会長の主観であり、ウサギの食べ方の作法でもなんでもありませんので、ご注意下さい。

その会長曰く、午前中に獲ったウサギの内容物はまだコロコロに固形化しておらず流動的ですが、少し蠕動活動して午後になるとコロコロになり、立派なウンコとして外に出て行くらしいです。

この外に出る前のドロドロ内容物をズルズルっとイクが1番の楽しみなんだとか。

 

スゲェ、凄すぎる…

お、俺は食えるのか?いや、俺も食ってみたい…気がする…いや、無理かな…

 

昔、ムカデ人間というぶっ飛び映画があったのを思い出しました…

ダメですよ、ムカデ人間を検索しては。

絶対後悔するので検索してはいけないし、ましてやムカデ人間を観ようなんて絶対にダメです。

私はムカデ人間3までしっかり観ました。

そして激しく後悔しました。

今でもあのクソ映画が頑固な油汚れみたいに頭にこびりついて剥がれません。

思い出すだけで気が狂いそうなはっきりとしたトラウマを私の脳にぶち込んできた映画は後にも先にもこの映画のみ、フェチとかマニアックとかいう自己陶酔と興味本位で見ると確実にあなたの大事な何かを破壊してきます。

絶対に観てはいけません。

 

 

これはかなりハードコアな食い方で、マタギの皆さんの山のご馳走はこうしたエクストリームフードが多いです。

他にも以前、撃ち殺したら速攻で頭を石で叩き割って湯気の出る脳みそに醤油かけてナマでいくらしいです、とブログに書いたらマタギ衆から電話かかって来たので、余計なことを言いふらすな、とてっきり怒られるのかと思いきや、

荻野ちゃん、違うよ〜!

醤油じゃなくて、醤油と和芥子だよ!

と、ツッコミ頂きました。

 

さらに、熊の胆嚢と並んでかなりのレアケースとしては、鹿の胎児も珍味で、頭からボリボリ生でイクんです。

 

こうなってくるともはやなんでもいけます。

 

ウサギは他の内臓も肉ももちろん食べるのですが,更に驚きは毛皮も食べます。

基本的に毛皮はなめし、腰からぶら下げて雪の上でも座れる敷物にすることもありますが、食べることもあるようです。

毛皮なので、毛が生えてるじゃん、と思いきや毛は直火で焼き、残った皮はカリカリのカラカラで、スルメみたいにしゃぶりながら山の行動食にするとのこと。

豚の皮の揚げたやつ食ったことありますが,なかなか良い味わいでした。

 

残るは骨。

ウサギの骨は中が空洞で折れやすく割れやすい。割れた骨は鋭利な刃物のような切れ味の断面になるため、骨には絶対包丁当てないというのが私たちの常識でした。

出汁にしか使えないと思ってましたが,さすがはマタギ。骨の食い方がエクストリームです。

肉を取れるだけ取った骨を山にある杉の切り株に置いて石でガシガシ叩き潰します。

固くて潰しきれずに残る鋭利な部分の骨は切り株に刺さるので混ざることがなく、潰れて粉状になった骨を丸めて肉に混ぜ、骨粉団子にしてきりたんぽ鍋の具にするそうです。

多少、口の中に骨が刺さって血がでますが,そんなことは大したことねぇべ。

タヌキとウサギはだいたいこのパターンだべな。

ということでした。

 

 

ここまで書けば、熊の手がなんともノーマルで食べやすそうな食材に思えてくるでしょ?