2021年09月30日
滑り込み
新作の中吊り広告です。
オッソブーコというイタリア料理があります。
本来は骨付きのスネ肉なんですが、これが高いんですの。
素朴な疑問として、郷土料理として食べられている肉が電ノコの凄いヤツがないと切れないような骨付きスネ肉のスライスなのは一体どういう事なんだろうか。
昔はこんなとんでもない切り方出来なかったはずです。
ノコギリで切ったのか?切れるのか?
少なくとも、私が持ってるノコギリは鹿かイノシシあたり迄、流石に牛の骨は切れません。
とりあえず、一頭から取れる肉の量も少ないので、値段が高いです。
ですんで、今回は肩バラで行きます。
チョイとゼラチンが足りないかなぁと思いつつ、そこは腕と愛情とハッタリでカバーしてます。
とにかく、オッソブーコの勘所はクリアな煮込み上がりと仕上げに加えるグレモラータというオリーブオイル版のブール・デスカルゴのようなパセリとニンニクとレモンのピュレですね。
これを入れるとグッと来ます。
オッソブーコといえばミラノ風リゾット。
サフランが入ったパルミジャーノリゾットです。
このリゾットはマルケージが本に書いていたのを読んだことがありますが、日本では手に入らにくい牛のモワルを入れるあたりが私にはかなりツボでした。
とりあえず、簡易的なリゾットですが、オッソブーコとリゾット・ミラネーゼを体感して下さい。
お客様から、おい、お前、私の好きなカスレをやりたまえ、とリクエストがありましたので、ネタ切れで困っていた私はすぐに飛びついた訳です。
今回はチキンコンフィとソーセージです。
カスレの話をさせると原稿用紙20枚くらい必要なので端折りますが,要は白インゲン豆の煮込みにどこまで旨みを載せられるか、というのがカスレの本質なんです。
脂からダシからこだわって最終的な味わいと加工品とのバランスを計算して相乗効果を生むような煮込みにしなくてはなりません。
これ、マメなくても良くね?
てか、コンフィやソーセージはカリッと焼いて食いたくね?
ってカスレはダメなんです。
この豆があるからこそ、この味わいだべよ、
というポイントに着地しなければ。
幸い、うちは毎日30キロくらい肉をコンフィしてますから、継ぎ足しされた旨い脂があります。
色んな肉をコンフィして肉汁や脂が溶け込んで熟成して独特の風味があり、これを豆を煮込むベースにすることで出汁すらもいらないような旨味と香りが出ます。
久しぶりに作ったら、やっぱりうまかったので、年末まで定番でやります。
もう一発大量に作って湘南でも売ります。
煮込み料理は皆でシェアすると一層旨く感じます。
良い季節になって来ましたね。