2021年05月01日
恒例の
スタッフ研修企画。
連休はヒッチハイクで実家に帰るべし、という私からのミッション。出来れば現金持たずに飯は全部奢ってもらう、もしくは労働して食わせて貰うべし。
私と仕事をするスタッフは漏れなくこのハードルを超えてもらいます。
一番遠い実家は札幌でしたね。
私自身は実家までヒッチハイクしたことないですが、当時まだ若くてバカだったのでパリからマルセイユまでノリと思い付きだけでヒッチハイクした事があり、アルザス人のトラック野郎に運良く乗せてもらい、荷物の積み下ろしを手伝って飯を奢ってもらい、マルセイユの港まで送って貰った経験が原点です。
若くてバカなのは若者の特権です。
ヒッチハイクはとりあえず引っ込み思案な性格だと前に進めません。とにかくオープンマインドで明るくハキハキ爽やかな印象を持ってもらうために行き先の書いたダンボールを掲げながらニコニコしたり、踊ってみたり、イチャつくカップルの乗ったフォレスターを罵ってみたり、道路にはみ出るなと注意しに来た警察と揉めたりして
あ、アイツ、面白そうだな。乗せたら話し相手くらいにはなりそうだ。とりあえず乗せてショボい奴なら途中で捨てよう。
と思ってもらわなければいけません。これは完全に私たちの仕事に通じるものがあります。
車中でもなるべく遠くまで乗せて欲しいし、なんなら昼飯奢って欲しいので雑談力が命。
仕事なのかプライベートなのか、目的地に何のために行くのか、どんな話題に興味があるのか、という事を車種や年齢、服装や雰囲気で感じ取って相手に合わせ、コイツ乗せて面白かったなと思ってもらわねばいけません。
これも私たちの仕事にモロに通じる点ですね。
ヒッチハイクの意義とは、絶対的な他力の状況に身を置く事です。
自転車でも歩きでも少しでも自力の要素が残っていればいつかは到着しますが、絶対他力は完全に自分の運命を自分ではない誰かに託すことでしか自分を前に進められない。
自分の事を自分で操縦できない状況というのは若くてバカでないととてもではないけど出来ません。
しかし、自分を捨てられた犬同然までに他力状況に置き、今何をすべきなのかを徹底的に考えるなかで見えてくるものは非常に大きいと思うのです。
自力で物事を進めるほうが遥かに気が楽です。しかし仕事は他力に頼らざるを得ない場面の連続で思うようにいかないことばかり。
人間関係がストレスの源泉でありながらも、ひとは1人では生きていけないという矛盾こそ人生の難しさであり美しさなんだと思います。
こんなご時世に見知らぬ人間を車に乗せる人はまず居ないし、そもそもこの状況でヒッチハイクやるあたりで人間として笑えなくなるなので、今回は絶対他力ではなく自転車で実家近辺に帰り、知らない農家で田植えを屋根付き風呂付きメシ付きで手伝うことにした点を最後に付け加えます。