2020年05月15日
生えてきた。
可愛いですねー。
食べちゃいたくなるほど可愛いって表現ありますけど、アレって本当ですね。
ウチのウィーちゃんとか食べたくなるほど可愛いですが、そんな事を口にするとTシェフに
いつ〆るんですか?
その時は呼んでください。
と、真顔で言われて断れなくなくなります。
可愛い、と、美味しそう、は共通なんです。
鹿も可愛い子鹿の方が旨いです。
なので、うちのチビが川で太った鴨を見て、可愛いと言わずに、旨そう、と言うのは子育て的に間違ってないのです。
2020年05月13日
YouTubeライブで料理教室やることになりました。
申し込みした方限定なのか、誰でも見られるようにするのかは先方の判断ですが、家で出来るお気軽フランス料理ってのを紹介しますね。
私、こう見えて結構人見知りでして、対面の料理教室って苦手なんですよね。
対人関係に不具合がある天パーでルサンチマン野郎なので、誰に向かって話せば良いのか分からなくなるのです。
詳細決まったらお知らせします。
来週金曜日、21時からです。
なにやら双方向で質問やツッコミ入れられるらしいので、ウチの常連チームが乱入してくると場が荒れそうなのでどうしようかなぁ。
2020年05月12日
農園サラダです。
さっきまで土の中に居た野菜をサッと洗って皿に盛っただけです。
空豆、スナップ、ラディッシュ、玉ねぎ…
ラディッシュの葉っぱなんて、表面にトゲトゲあるんですよ。空気中の水分を取り込もうとしているのでしょうか。
本当はこういうサラダはレストランで出すつもりでしたが、こんな状況なのでありがたく私が頂きます。
あー、残念ですねー。皆さんに食べて欲しかったなー。
こんなの毎日食ってるからか、うちのガキともが元気過ぎてどうしようかと。
畑や狩猟をやるようになって、今までの考え方がちょっと違う事に気がつきました。
生産者だけの視点でもダメですし、料理人だけ、消費者だけからの視点でもここには到達できませんでした。
私は頭が悪いので、サイクルを一通りやって身体で体験しないと分からなかった事ですが、それは生産と消費の二元論ではないということです。
生産者と消費者で語ることの多い食の文脈ですけど、そこにもう一つ大切な存在が在ることにやっと気がつきました。
例えば食品ロスなんかも、そのもう1人の存在を文脈に加える事で問題の全体像が明らかになります。
先日の藤原先生の本に気づきを頂いたのです。
まだ答えに達していないので、今後はそこをもう少し掘り下げて考察してみることにします。
2020年05月11日
ソウルの神、ビル・ウィザーズに続き
今度はロックンロールの父、リトルリチャードか…
誰もが聞いたことのあるそれらの曲。
その曲で音楽に目覚め、人生が変わった人もいるでしょう。
肉体は死しても作品は残ります。
何を獲得してきたか、よりも、何を残せたか、というのが人生の本質的な価値なんだろうな、とマイケルジャクソンを聞きながら帰りの車の中で考えてました。
2020年05月08日
食品ロスはなぜ起きるのか、食品ロスとは一体なんなのかということをここ10年以上考え続けてきました。
評論家的に外部目線から考察するのではなく、当事者として内側から見える景色というのは、そらもう一言で言い表せるようなものではないです。
とにかく、私は食に携わる人間として、長年疑問に感じていたことや、本でしか読んだことがないようなことを一つ一つ自分で体験し、経験として体にタトゥーのように刻んできました。
そして、最近は自分の今までの思想が少し違うのではないか、と思うようになったのです。
そのきっかけとなったのがこの本。
ここ最近、この本の衝撃に打ちのめされてしまい、はっきり言ってどうしたらいいのかわからず、仕事が手につきません。
私は一体今まで何をやってきたのだろう…
自分のやっていることに何の意味もないのではないか…
そもそも人生に意味なんてあるんだろうか…
そんな絶望的な気付きをパワーボムみたい延髄経由の脳天に喰らいました。
著者の本は他にも何冊か読みました。
主に農業史とナチズム、オーガニックの関係についての研究者です。
ナチズムと動物愛護、オーガニックは切っても切り離せない関係性なのはあまり知られてません。その話はまた次回。
この本は分解と生成と発酵の思考です。
分解には発酵や腐敗も含みます。
生成と分解はあらゆるモノの過程であり、生と死は始まりでも終わりでもなく、グルグル回る輪廻の一部。
分解は常に生成を上回る福岡伸一先生の提唱する”動的平衡”に沿った考え方です。
そうか、全ては動的平衡にあったのか…
私が10年以上ウダウダやってた事は、たった4文字で表現出来るんですね…
逆に言えば、私が動的平衡を理解するには狩猟や畑やレストランや小売店をやらないとわからなかったということです。
2020年05月05日
今日のミッションは雨が降り出す前にサツマイモ150本植える事。
チビどものオヤツである干し芋を1年分ストックする為です。
干し芋も奥が深くて、蒸して美味しい芋と干し芋で美味しい芋は品種が違います。
本当は某という品種がいいんですが、どうやら固定種で苗が手に入りません。
とりあえず、メジャー品種のベニアズマ、ベニハルカ、シルキークイーンを、それぞれ50本でトライ。
サツマイモは株間広めに取るので、畝が沢山必要です。
そりゃもう大変な作業量。
今日もテント張って遊んでいた子供たちが飽きてきて時間がなくなり、途中からどうでも良くなって、畝立てずに田植え方式でバンバン植えたらすぐ終わりました。
やはり人力畝立ては大変です。
先日、タネ撒いたラディッシュ。
二十日大根というだけあって、スピード感が凄い。
早速、間引いたのを夕飯で食いたいので、暇そうな長男に、食えそうなヤツを抜いておけ、とオーダー。
ちゃんと残す方が良いやつなのか、間引いた方が良いやつなのかを考えさせるのは子供には良いことです。
いいかい?、今、世の中はコロナというのが流行っててな、3Kで3蜜のオトーサンのような仕事は、お前が抜いたラディッシュみたいに、間引かれるかどうかの瀬戸際なんだよ、ウヘヘヘヘ。
オトーサンはその間に草取って刈り敷き。
別名草マルチと言いますが、抜いた草を作物の周りに敷いておくと、保水と保温、そして次から雑草が生えてくるのを抑えられます。
鶏糞堆肥はやはり凄いですね。
自然栽培と育ち方が全然ちがう。
自然栽培も堆肥を入れることもありますが、基本的な哲学としては畑以外から持ち込まない、というのがあります。
放飼の鶏が畑に放たれていたり、畑の隣に鶏舎があって完熟堆肥がすぐそばにある場合には自然栽培の枠に入りますが、私はわざわざ小田原から車で運んでズルしているので、自然栽培ではありません。
そうした自己完結の哲学は、フランス料理にも通じる無駄のないロジックです。
昔の人は現代のような体系化されたロジックがなくても感覚的にこうした事を知っていたというのに驚きます。
知っていたというより、あらゆる経験から理解してきたのでしょう。
狩猟と畑をやっていると、昔の人たちが何をどう考えて自然と密接した暮らしに向き合っていたのかを少しづつわかってきたような気がします。
夕飯のラディッシュサラダが激ウマだったのは言うまでもありません。
2020年05月04日
ヤラれます。
ウチはメーカーとして卸売もやってまして、まとまった量を受注したならばガムシャラに納期に合わせなくてはなりません。
それにしても忙しいってのは良いもんです。
やっぱ、職人たる者は手を動かさないと感覚鈍ってダメですわ。
職人はアーティストではありません。
その違いは納期があるかないかです。
アーティストが描く絵は、筆を置いた瞬間が完成ですが、イラストレーターには締め切りがあります。
限られた時間でどこまで成果を出せるかが勝負。
成果とは高いクオリティに対して価格がなるべく低い方が良い。
生産性が高ければ価格抑えても利益出せますから、仕事の質とスピードが問われるのが職人だよ。
と、客席フラフラしてるだけのポールボキューズが言ってました。
コロンジュモンドールのレストランは他の三つ星と比べても圧倒的に安かった。
当時、コースでも1万2千円くらいでした。
キッチンにはMOFがゴロゴロいましたが、人間国宝級に仕事出来る少数精鋭部隊で80席毎日満席をブン回すスピード感がそりゃもう圧倒的。
80席の店にしてはコックが少ないし、厨房もトロワグロのように広すぎて使いにくそうな感じはしませんでした。ピカピカ清潔でモノが無く、営業中とは思えないくらい静かでしたが、コックの動きがとんでもなく速い。
あー、贅沢な悩みですが、早くキッチンでデカいハラミを焼いて国見さんの奥さんをイカせたいなぁ。
2020年05月02日
鴨のパストラミ オレンジ風味です。
パストラミって言いたいだけで名前にこだわりはありません。
フランスにパストラミってのは無くて、ジャンボンとかと同じ部類に入ります。
基本スライスしてパンに挟んで食う感じ。
元々は東欧からトルコにかけてが発祥ですけど、冷蔵庫ない時代に肉をどうやって保存するかって言ったら、塩漬けか燻製か乾燥しかないんです。
現代は冷蔵という料理人を甘やかす堕落したシステムがあるので、本来の目的からズレて保存性よりも味わいを優先させます。
味わいも微妙なところがあって、しっかり乾燥と燻製と塩が効いた生ハムってのは、もう超えることが出来ないシンプルで完璧な製品なのです。
しかし、そうした昔ながらの製品は冷蔵しない前提と引き換えに途方もない手間と時間が掛かります。
そんな時間かけられません。
時間がかけられないというのは、仕入れが現金に代わるタームが長い事に対して、抗うことが許されない現代資本主義に毒されて止むに止まれないという事情があるのですよ!
特に今はコロナでキャッシュフローが大変なので喉から亀頭と手が同時に飛び出るくらいにキャッシュが欲しいんですよ!
要請するなら補償くれ!
カネのウラミ!
カモのパストラミ!
というのが、自虐的な今回のストーリー。
ジョークですけど。
補償するとかしないとか、延長するならどうするとか、もうね、飲食業が半分無くなろうがどうが、国全体からすれば微々たる話ですよ。
どうにもならない自然現象の猛威に怯える生き物としての恐怖というよりも、カネが無くなっていくことの恐怖や、ウイルスよりも人間不信による恐怖、ウイルスが人間の免疫弱らせる前に社会の方が免疫過剰でウイルス関係ないようなところにまで違った恐怖を撒き散らしているな気がしていると言ったら怒られるんでしょうけど。
どちらにせよ、どんな時代も飲食業はなくならないのは歴史が証明してます。
だめなら全部一から均して、もう一回畝立ててタネを蒔けばいいんですよ。
虫に食われても肥料がなくても育つ野菜は育ちますし、無農薬無肥料は生命力が段違い。
農薬や肥料一回でも入れたらその畑はそれら無しには育たなくなります。
救急措置にトリアージってあるでしょ。
同時多発的に大量に患者が出た場合、助かりそうな人や助けるべき人を助けるという命の選別っていうアレ。
どんな業界もコロナで大変です。私たちの業界よりも助けないといけない医療とかインフラとか生産、物流業界に税金を突っ込んで救済する方がいいに決まってる。
コロナが落ち着いてもレストランに食事に来てくれるようになるのはまだまだまだまだずっとずっと先です。
それまで全てに税金突っ込んでたら国家が破綻しますよ。そのツケを孫の代まで引っ張れません。
久しぶりにヒリヒリしますけど、私はとにかくひたすら良いシャルキュトリーを開発して作りまくるのみです。
2020年05月01日
今日からドバドバ出てます。
自粛ってのも理解してますが、そんな中でも買いに来てくれるひとがメチャメチャいてくれて感謝です。
相変わらず一回の買い物の総額はコロナ前の1.5倍です。
自粛は理解してますけど、自粛だからこそターブルオギノみたいな店の価値って際立つんではないかと。
レストランでゆっくりネッチョリという訳にはいきませんし、そもそもやってない店ばかりなので、エキナカやデパ地下でちょっと良いもの買って帰りたいでしょ、って。
なので、家ではチョイムズい料理でレストランよりは高くないって絶妙なGスポットを刺激するラインナップ。
鴨とオレンジのパストラミ
チキンコンフィ チリジンジャー
ホロホロ鳥のコンフィ レモン風味
粗挽きソーセージ
ジャンボネット
などなど。
敢えてテリーヌは種類を減らしました。
シャルキュトリーとはテリーヌだけじゃねぇぜ、というところを見てちょ。
今後、テリーヌも今までの焼き直しではなく完全オリジナルの新作いきますのでお楽しみに。
若鶏のモモ肉にパテのネタを詰めて網脂で包んでオリーブと白ワインで煮込んでます。
だいたい270gくらいあって食べ応えあります。
淳也さんなら3本くらいか?
レストランでアラカルトなら1600円くらい頂くのですが、デパ地下ならば2人前入って980円です。
なるべくたくさんの人に食べて欲しいですから、席数決まってるレストランとは根本的に考え方変えないとね。