2020年05月28日
刺さる人には刺さる話
上京する前、地方都市で今は亡き師匠の元で働いていた時、ありとあらゆるモノを手作りしてました。
いや、させられてました。
前にも書きましたが、例えば賄いのうどんも蕎麦も手打ちだし、餃子の皮も手作りです。
休みの日は私が自宅に糠床持って帰って厳重に管理。
営業に使うスモークサーモン用のサクラのチップは夜中に公園に忍び込んでノコギリで枝を切り落として乾燥、細かく切ってチップにするというグレーゾーンではない完全なる違法行為。
冷凍のイチゴピュレなんて買うわけもなく、旬の値段安い時に一年分買って、朝から晩まで3日間ヘタ取りしてミキサー回して牛乳パックで冷凍。
ベーコンも漬物もキムチもアンチョビも味噌も豆板醤も豆腐も全部手作りです。
あの頃があるから今の変な私があるのです。
さて、上京してからは空気が悪くて作る気にならなかった梅干しを、ここ湘南の潮風で復活させようと思います。
私の梅干は師匠直伝、男らしい男梅です。
師匠は梅干しのあらゆる工程にこだわりましたが、中でも干し方には異常なこだわりっぷりで、風向きや日の当たる方向など干し方が甘いだけで殴られました。
しかし、その完成品は芸術的でそれはそれは美しく、三年モノは絶品でした。
私が生きている間に、あんな梅干しが仕込めるだろうか…
多分無理です。
到達出来ません。
とりあえず自宅のある鵠沼ならば気候的に同じように出来るだろうと踏みまして、今年は張り切って仕込みます。
作り方知りたいですか?
作り方ここに書くのはいいんですけど、梅干しのチャンスは本当に短く、レシピ通りになんていかず、とにかくお天道様との対話が大切ですので、私のやり方見てから始めてもすでに遅い。
そもそも最近赤紫蘇が売ってないですよね。
売っててもすぐになくなって手に入りません。
今年は梅雨入りが早そうなので、早く塩漬け始めないと梅雨明けてしまう気がします。
刺さる人には刺さりますが、梅干しは哲学です。