2020年05月21日
フルール・デ・クールジェット
綺麗な花が咲きました。
ジャック・マキシマンを思い出します。
当たり前ですがクルジェットには雄蕊と雌蕊があり、雌蕊は実が付きますが、雄蕊は花だけです。
実付きのクルジェットの花の中に詰め物をしてローストしたりフリットする料理が南仏からイタリアにかけてあります。
モナコのルイキャーンズでは雄蕊ベニエにハーブ塩振ったのがアミューズでしたっけ。
この花を料理に使おうと思った料理人は絶対に畑に出てます。畑で雄蕊食ってみたら美味いからキッチンに持って帰ろうと思ったはずです。
ファーム・トゥー・テーブルという概念を世界一体現しているのはニューヨークのダンバーバーですが、日本では産地直送とか地産地消みたいな勝手な解釈になってますね。
そんな解釈はただのカタカナアピールだけで、中身空っぽの事が多い。
畑とテーブルが直結する事や生産者と料理人が直接つながるのが目的などではなく、畑から料理が始まっているのがファームトゥーテーブルの概念です。
生産と加工の役割分担の境界線が曖昧で、生産者で料理人、料理人だけど生産者みたいな事です。本当に旨いものを知りたい、作りたいと思うならば畑で野菜を作り、家畜を自分で育て、鹿の美味い仕留め方を料理人として考えないと絶対に到達出来ない領域がある事に気がつくかどうかです。
逆に言えば、生産現場で常識とされていることが、料理現場から見れば改善すべきと補い合える関係性でもあり、レシピには書けない深い部分で食材と料理とはどうあるべきかを考える事です。
ダンパーバーこそがその代表で、アメリカのフランス料理を通して世界を見ています。
ブリアサヴァランの美味礼讃と同様に、私はダンバーバーの本を読んでるかどうかで料理人を区別してます。
まあ、ほとんどの料理人は読んでないと思いますが。