2020年04月25日
なんかこう…厚みが違うんですよ
冒険家の荻田泰永さんと対談しました。
いや〜、物凄い刺激になりました。
人間そのものが分厚いんですよ。
日本人でただ1人の北極専門の冒険家である荻田さんは自分を誰かと比べることも比べられることもないと言います。
他人様の勝手気ままの主観的評価基準で二次元的並列化された料理界とは対極にある価値観。
冒険行為でもっとも大切なのは何かと問われれば、一言、主体性なのだそうです。
かつて本多勝一が”創造的な登山”という本で定義したパイオニアワークにも同じく危険であることと主体性が必要とありました。
だとすれば、やはり現在の私、私たちも冒険の真っ只中なのです。
レストランという偉大なるマンネリズムに身を委ねて20年、更なる主体的な行動が必要なのでしょう。
主体性とは何も危険に対して飛び込むだけの主体性ではなく、身の回りを囲むアウトソースされたモノやコトに対しても自分がどこまで主体的に関わることができるかどうか、というものも含まれます。
どこかに移動する時にタクシーに乗るのか自転車漕ぐのかは意味が違うし、スーパーで肉を買って食べるのと、鹿を撃ち殺して食べるのは、ただ肉を食べるという行為の中に自己が関わる範囲が大きく違うため、その意味合いは大きく異なります。
分業化で見えにくくなった現代社会において、自分から動いて知らないことを経験値として身体に刻み込む事は私の畑や狩猟を含んだ一連を料理とすることと、橇や毛皮服を自作し無補給徒歩で北極を旅する冒険行為は思想的に共通する点が多いのだという結論で、なんどか褒められているようで嬉しくなりましたが、一般的な視点からすればクレイジーな冒険野郎と料理バカが和気藹々してるだけに見えるでしょう。
この対談記事は近日公開予定です。