2020年04月04日
粗挽きソーセージ
日本で粗挽きソーセージというと、イタリアンのサルシッチャみたいな生ソーセージが真っ先にイメージ出ますが、本来の粗挽きソーセージとは、生ソーセージではありません。
そもそも粗挽きソーセージと呼ばれるものはフランスにもドイツにもありません。
肉の挽き方が名前にはならないのです。
肉を挽いて氷と一緒になって乳化させるというのが一般的ですが、もちろんそればかりではありません。
ペースト状にまで細かくカットし、氷と練り合わせた肉と、練っていない手切りか粗挽きにした肉を混ぜ合わせれば、粗挽きの肉が引き立ってブリブリ肉を食べているかのような食感になります。
作業が少し面倒になりますが、これはみんな好きな味と食感ですね。
バーベキューとかに良いし、薄くスライスしてスープの出汁としても威力発揮します。
焼いて良し、茹でて良し、煮込んで良しというシャルキュトリーの製品です。
ただ切ったり挽いた肉を腸に詰めただけではただのサルシッチャで、それは焼く以外に選択肢はなく、単なる味付き挽肉なので保存性も有りません。
どうですか、このヌラヌラ感。
ちゃんとゴロゴロした肉も入ってます。
当たり前ですが、昔から作られているものなので、特に結着材や発色剤、亜硝酸塩なんかなくても別に良いです。
ウチのソーセージやパテ、ハム類は全てその辺のクスリは使ってませんが、特に問題ないです。
なんでハム・ソーセージ業界はクスリ入れないと製品として認めないみたいな風潮ってアレなんでしょうね。
ハム・ソーセージ業界ってそもそも参入障壁が異常に高くて、クローズドな世界です。
特殊な資格と超厳格な許可と莫大な投資が必要です。
その閉ざされた世界ではクスリを使わないことのリスクばかりを叫ぶんですよ。使うことのリスクは黙る癖に。
衛生面とかナントカってこじ付けて、身体に良くないクスリ入れてまで見た目の色あいをキープするのって逆に時代遅れっていうか、見た目が良いものを買うから、とお客さんのせいにしてクスリに走るのはダサい。
あー、また怒られるわー。
あ、アミノ酸入れてない肉本来の味で勝負してますので、添加物慣れした舌には物足りなく感じるかも知れません。
そういうのがよければ、巷に溢れるケミカルフレーバーのソーセージを買ったら良いと思います。
スーパー安売りされてるウインナーとかって、安過ぎますよ。豚肉の価格よりもかなり安い。一体何からできてて、何を入れればあんなにコスト下げられるんでしょう。
乳化剤や膨張剤ドバドバ入れると肉少なくてもいいのでしょうか。
あー。また怒られるわー。
アルカリから酸性に早く傾けて保存性高めるためにpH調整剤入れるってのも、サラミとか非加熱製品においては必要かも知れませんが、仮にサラミだとしてもクスリ入れなくてもパプリカとか酸性のスパイスで代用すればいいはず。
代用というか、そもそもそういう作り方のはずですけどね。時間と手間と職人技を省くためにクスリに頼る訳です。
私の場合は生ハムでもサラミでも発酵進めるために乳酸菌だけ入れ、仕上げに表面に白カビをつけてあとは常温で放置プレイ。
時間かがますけど、自然の力借りて作ったサラミはマジで旨いですよ。
レストラン再開の時には手前サラミを出したいなぁ。
粗挽きソーセージは今月末あたりからターブルオギノで発売します。
名前は敢えて粗挽きソーセージです。w