2020年03月07日
逆さまモンブラン始めます。
昨今流行のウケ狙いのエンタメ料理ではなく、キチンと哲学があります。
モンブランと言えば、マロンクリーム、シャンティ、メレンゲという完璧な組み合わせです。
マロンクリームの配合どうするか、というのはそれぞれの考え方があるでしょうからひとまず置いといて、個人的に大事なのはメレンゲがバキバキである事です。
レストランでモンブランやるならば3分以内に食べる想定で組み立てないといけません。
となると、メレンゲの食感に拘りたい。
湿った食感はご法度、ザクザクでなければいけません。
なので、逆さまに組み立てるのです。
見た目にも白い山に限りなく近いのはメレンゲを外側にしてアイガー北壁のように屹立した斜面なので、具合が良いのです。
農家さんの大量のキャベツをザワークラウトにしております。
そう、私、発酵にハマっております。
発酵にハマるというより、冷蔵庫要らない料理に挑戦中。
発酵、塩漬け、乾燥、燻製です。
そうなると、自動的に冷蔵庫の無かった時代の古典書を別の角度から紐解く事になります。
要するに、ヒマなんです。ヒマだから普段やらないような時間のかかる仕事に取り組んでるだけの話ですが、もともと非常に興味のあるジャンルなので、この辺りで私なりの理解と経験を深めようと思います。
常温で3週間目に突入したロットのものは袋が萎んで熟れてきました。
何パターンか配合を変えて実験中。
砂糖少し入れると発酵が早いですね。そして精製塩よりも岩塩とかミネラル豊富な海塩の方が上手くいきます。
白と赤キャベツを混ぜると発酵中にピンク色のザワークラウトになり、完全に真空パックしてもキャベツからガスが出てパンパンに膨らみますが、ビビって袋を開けないように。
真空しなくても水分にキャベツが浸かっていれば瓶とかジャーとかでやれます。
気温上がってくると表面にカビが生えるかもしれませんが、キャベツがきちんと発酵して水分に浸かっていれば、成長したキャベツの菌達がカビごときは駆逐しますので、表面のものだけスプーンですくえば問題なし。
ガスはアルコール臭のする炭酸ガスで発酵進めば勝手に落ち着きます。
そこからは熟成段階に入ります。
昔はテリーヌもこれと同じような手順で乳酸発酵するくらいに長期保存してましたが、果たして現代で受け入れられるのかは不安です。
フロマージュ童貞がウチにもいますが、発酵熟成型パテのあのシュワッとした感じは好きな人は好きですが、ダメな人は全くダメ。
私は漬物マニアで熟女推しですので、そのくらいでないと物足りない。
他にも半年寝かせた味噌もそろそろ完成、乳酸菌付けた生ハムもワインセラーで発酵中です。
沖縄の豚のバラを現在塩漬け中です。一週間漬けたあと乾燥と燻製してベーコンになります。
もちろん、そのうちこのザワークラウトと自家製ベーコンとソーセージでシュークルートやります。
デビューは来週か再来週でしょうか。
これは食べておいたほうが良いと思います。
腐敗と発酵の見極めもなんとなく掴めてきました。これは菌とバクテリアとの対話ですね。
現代の過剰とも言える衛生意識と照らし合わせてとてもではないけれど合致しない点が多く、事業化するとすればハードルが色々とありますが、別にそんな事はどうでも良くて、ただ昔の料理人や生活者が当たり前にやっていた事を自分の中に取り込みたいというだけの話です。
しかし、無駄で過剰な設備や添加物から逃れられなくなった歪んだ現代の食の問題点に何かしらの解決に向けたヒントをくれるような気がしてならないのです。