2020年03月29日
4月休業します。
来月池尻のレストランを丸々1ヶ月休業致します。
コロナの問題は誰もが被害者になりうると同時に、加害者になるということです。
誰かのせいにしたくありません。
行政の対応は確かに曖昧です。自粛要請ならば休業しても自己責任の範囲なので補償もアテに出来ませんし、アテにもしてません。
しかし、曖昧だからといって今のままダラダラと開ける事は違うのではないか。レストランは密集、密接、密室という代表的な営みです。
幸い、ウチにはテイクアウトできる店が駅近にいくつかあります。
当面はターブルに戦力を集中し、食卓にちょっとした花を添える料理を充実させようと思います。
マクロンはウイルスとの戦争と言いました。
地震も台風もウイルスも暴力的で横暴な自然の一面です。
自然とは何かを定義するならば、人間に力ではどうにもならない事、です。
闘う相手でもなく勝ち負けの問題でもなく、暴力的な自然界の隅っこでコソコソと生き延びてきたのが生物であり、戦って勝てるものではないと思うのです。
今やらなければならないのは、逃げ隠れることであり、なるべくウイルスから距離を取ることです。
私は料理人ですが、レストランという形態にしがみつくつもりも毛頭ありません。
加工技術によって付加価値をつけること、というのが私なりのプロ料理の定義。これを機にシャルキュトリー道を更に極めるのもいいでしょう。
休業は非常にリスキーでギャンブル的な選択です。
コロナが落ち着くのがいつになるのか、という答えのない問いに対して、どういう対応するかはそれぞれの考え方でしょう。
1〜2ヶ月で落ち着くと予想すれば、ツナギ融資申し込みすればいいでしょう。しかし、コロナが落ち着いても飲食店がコロナ前のように戻るにはまだまだ時間がかかる、と私は判断しました。
恐らく今年いっぱいは飲食業はダメでしょう。
となれば、やるべき事は変わってきます。
無駄な融資受けてお茶を濁して傷が深くなるよりも他の経営資源に投入します。
これは単なる私の賭けに過ぎませんが、たとえ間違っていたとしても、とりあえず曖昧な行政や世の中のせいにしなくて済みます。
良い人生とはなにかを考えたとき、それは決断できたかどうかではないでしょうか。
人にああしろこうしろと言われる前に自分から決断して動く事が出来れば、結果はどうであれ、納得して次に進めます。
5月からレストラン営業をどうするかは考えていません。