2020年02月16日
今日の賄い
トンカツ
赤出し
南蛮漬け
大分県有精卵かけご飯
サラダ
もう食えねぇ、ってくらい満腹。
2020年02月15日
親子の鹿を発見。
さて、あなたはどちらを撃ちますか?
サザエさんは小鹿を撃つ、と。
なぜなら美味しそうだからだ。
より多くの肉が取れる母鹿を撃つ、というのも一つの考え方です。しかし、母がいなくなった小鹿はその後生きていけないかもしれない。
小鹿を撃ちとった後、しばらく母鹿らしき鳴き声が響いていました。
子供を殺した私を責める泣き声です。
もも肉、ロース、ヒレはソテー
バラ肉はコンフィ
カタと首、スネは赤ワイン煮込み
その他端肉はパテ
背骨や大腿骨などは煮込みのベースとなる出汁
皮は解体場のおじさんにあげました。
循環器系の内臓はパテになります。
運ぶ際にどうしても消化器系は重くて無理だったので、腹割って取り出して埋めました。
今頃は跡形もなく猪やカラスや微生物の循環の一部となっているはずです。
今日で本州の狩猟期間が終わりますが、山梨県はあと1ヶ月ありますので、経験値上げるべく山に通います。
山で出会ったハンターのおじいさんは獲物を全て自前で保存食にしているとの事。
そして業務用冷蔵庫なんて持ってないという。
どうしてるんだろう、と思ったら子供の頃は冷蔵庫なんてなかったからそれなりに知恵絞って一年分の保存食を作るんだとか。
そんな事を根掘り葉掘り伺って、なるほどそうか、と。
ヨーロッパ系の保存食であるシャルキュトリーを極めたいと今までやってきましたが、日本における野獣肉の保存食に猛烈に興味が湧いてきました。
バターソースには何種類かあって、焦がしバター業界にもいくつか段階があります。
クラリフィエ→澄ましバター
ムッサン→ビールの泡のようなムース状のバター
ノワゼット→榛色まで加熱したバター
ノワール→バター概念を完全に通り越した焦がしバター
仔牛の脳味噌に使うバターはノワールです。要するに真っ黒になるまで焦がしたもの。
白子はノワゼットに留めます。
焦がしバター業界的にノワゼットが大半を占めており、ノワールを使うことは現在ほとんどありません。
元々が脂肪の塊の脳味噌に油脂を合わせるあたりで矛盾してます。
矛盾は百も承知の上で、古典では焦げた香りを出した油脂に強い酸味を加えるのでしょう。
逆に油脂を使わず、薬味程度では脳味噌の真価が発揮できないのではないか。
白子との圧倒的な違いはここにあります。
ビジュアル、味わい共に似たような感じですが、かたやタンパク質かたや脂肪なのでバターの焦がし具合で脂っぽさを感じさせてはならないのです。
昨日、四谷の猫コーヒー屋さんが悶絶していましたので、これはこれでアリなんだと思います。
今日の賄いは
シャケ炊き込みご飯
豚汁
鰆の南蛮漬け
でした。
いやー、満足満腹。
ジビエ最終案内です。
自宅の横を流れる川にヒドリガモが悠々と泳いでます。
流れの早い川や大きな湖で鳥を撃っても回収できないので、私は基本やりません。
最近はドローン飛ばして巡回、回収するハンターもいるみたいですね。
テクノロジーフリーの単独忍び猟を信条とする私には到底受け入れられないけど。
今回のモノは残念ながら、私が獲った鴨ではありません。
鹿児島のオナガカモです。
サイズはなかなか良く、食べ応えあります。
基本的に本州の猟期は明日まで、山梨県は鹿と猪猟だけ来月の15日までです。
狩猟の取材もありますので、最後まで粘ってみようと思います。
今週も豊富過ぎて胃袋4つくらい必要です。
食材っていう時点で人間が食べる物、食べるためのモノ、どんだけ美味しいものを作るか、と言う意味合いが含まれます。
鹿や猪や野生のカモは現在では食べ物ではなく、自立して生きる生き物であって、ハンターが殺して皮剥いで内臓出して精肉して初めて食べ物になります。
もちろん、食材として育てられる動物も動物ですが、ここで言う生き物とは根本的に異なります。家畜は自立していません。
さて、現代の人間とはヒト科の動物なのか、それとも野生を忘れ飼い慣らされた家畜なのか。
熊本に天草大王という巨大な鶏が居ます。
実は天草大王は一度絶滅しており、現在の鶏は10年かけて復活させたものになります。
巨大というのは、本当に巨大でオスの生体で6キロオーバー、メスも5キロという力士のような堂々たる巨漢です。
飼育期間はブロイラーの約3倍、130日以上でデカくなるための強い骨と強靭な内臓が備わっています。
今回はこれをポトフ仕立てにしようかと。
骨で濃いブイヨンをとり、さらにクラリフィエして濃いコンソメにします。
そこに塩漬けした天草大王の肉と農家の野菜を入れて煮込むわけです。
フランス版寄せ鍋ですが、出汁がちょっとリッチです。
ただでさえ濃いコンソメを通常の半分に煮詰めてから肉を入れて煮込み、肉を取り出してから順番に野菜を交互に入れていくため、液体の量が明らかに少なくて、旨味を濃く出します。
関節、皮、骨、肉質、どれもブロイラーと比べてものにならない強靭な対体躯。
高い金払ってチキンなんて食いたくねぇよ、という方に食べて欲しいですねー。
2020年02月11日
イタリア仔牛のセルヴェル入荷しますぜ。
若い人はもはや知らないと思いますが、80年代狂牛病という牛の病気が発生しまして、牛の骨髄や脳味噌などは流通禁止になりました。
国産牛に関して個体識別番号を基にした全頭検査とトレーサビリティが徹底されたのは、これがきっかけでした。
おいおい、そんなモン食って大丈夫かよ、って真っ当なご意見ありますが、そこはご心配なく。
正規のルートによる仕入れで、既に安全宣言されているイタリア産の仔牛脳です。
食用の特定危険部位としては脳、リンパ節、骨髄がありますが、リンパ節はリドボーとして既に輸入されてます。
モワルと言われる骨髄料理は日本であんまり人気ないので、あまり口に入る事は無いでしょう。
今までは芝浦経由の豚の脳味噌でやってましたが、やはりここは本物の牛でしょう。
今週末からいきます。
脳味噌は日本では馴染みのない食材ですが、ヨーロッパではメジャーな存在。
スクランブルエッグに脳味噌入れたり、羊の脳味噌のサンドイッチなど色々あります。
脳味噌の組成は半分以上が脂質なので味がどうこうと言うよりも食感と香りですね。
サザエさんが白子と脳味噌の食べ比べしたいとか?
今日のテーマは北イタリアです。
馬のカルパッチョ。
塩して寝かしてあるので、水分が抜けて締まり、ネッチョリ感アップしてます。
これにパルメザンではなくブリードモー乗せたサラダが今週末のオヌヌメ。
ラザーニャ。
バロティーヌの端材使ったポモドーロです。
実は私、元々はイタリア料理志望だったのです。
アニキが中学生の頃、私は小学生3年生でした。
そのアニキが隣町のイタリア食堂なる場所に行ってきたぞ、世の中にはラザニアという旨い食い物がある事を知ったぞ、良いだろ、ブハハハハ!
と、まだ1人で電車に乗ったことのなかった私はそれはそれは羨ましく、隣町のイタリア食堂なるものが、海の向こうの外国かと思うほどの憧れる場所になりました。
その頃はネットなどなく、ラザニアとは一体何なのか、どんな味がするのか、甘いのか塩っぱいのかすらも、全くわかりませんでした。
寝ても覚めてもラザニアなる食べ物の事が知りたくて知りたくて堪らず、餡掛けスパゲッティしか食べたことのない田舎の先生に聞いても知ってるわけもなく、図書室にイタリア料理の本はない。
チンコとウンコの事しか頭にないような小3男子がイタリア料理についてウジウジ考えているなんて知れたら、親になんて言われるかわからないような学歴偏重の時代でしたので、悶々とした日々を過ごしまし、ついにラザニアがなんなのかを知ったのは2年後の5年生でした。
ただしかし、このラザニアがどんなものかを簡単に与えられていたら今の仕事はしてなかったでしょう。
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