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2020年02月06日

キッチンから世界が見える

 

ウチが取引しているオーガニック農家さんはウチ用に畑を用意してくれてます。

毎週、その中でいいものを送ってくれます。

端境期や冬場は乾物や保存のきくじゃがいもや大根などの根野菜がメインになります。

 

 

たまに、それらとは別に出来すぎちゃった野菜、キャンセルされちゃった野菜、他には出せないバラバラのサイズ感の野菜などを頼まれることがあります。

 

そういう時こそ、ウチの出番ではないかと。

こういう時のために大量に加工して販売できるターブルオギノという仕組みがあります。

 

もちろん、レストランでも使いますが、たかだか30席程度でやれることなんてインパクトが小さい。

レストランではインパクトが小さすぎるので多少規模感ある惣菜屋をやっています。

1日、多い時で900人ほどのお客さんと接するインパクトはレストランでは不可能。

そして何より日常的に買ってもらえる価格にできるのが良い。

 

 

 

今回は甘さマックスまで引き上がった在来種のカボチャ色々が来ました。

甘さマックスということは鳥や虫に食べられやすい。

所々穴が開いてしまったので、その辺りを綺麗に掃除して、種抜いて送ってくれました。

 

確かに、普通に考えれば商品としての価値は薄いのかも知れませんけど、味わいには関係ありません。

そもそもカボチャを作るってのはなかなか根気のいる作業です。

土に接している部分が湿ってジュクジュクにならないように刈り取った雑草をクッションがわりに敷き詰めて乾燥させながら育てるのです。

日の当たり方が片面だけだとバランス良い色合いにならないので、シャンパーニュの瓶のように日々少しづつ回転させる人もいます。

そこまでやっても、たまたま雨が続けば土に当たる部分はどうしても溶けてきます。

そういう部分をわざわざ切り取って送ってくれます。

 

 

さて、昔はこうした食材で惣菜作る事をゴミ商売として、業界の偉いとされるオッサンに全否定されたことがありましたが、本当にこれはゴミなのでしょうか。

 

その時の怒りが私の原動力です。

 

 

食べ物はモノではなく、見えない人々の出来事の積み上げです。

商品の価値とは一体なんなのでしょう。

最近、よく分からなくなります。

 

 

 

 

 

ブルー

何でもかんでもロゼがいいかと言えば、時と場合と食材によります。

 

フランスのステーキ屋に行くと、椅子に座った時点でいきなり焼き加減を聞かれます。

ブルー?セニャン?アポワン?

だいたい私はレアにあたるセニャンと答えます。

ブルーはほぼ生、アポワンはミディアムといったところでしょうか。

いいですよね、非常に潔い。

日本の”いきなり!ステーキ”も

肉を一種類にして”いきなり!焼き加減”

に改名すればいいのに。

 

今回は馬のサーロイン。

牛を想像されるとちょっと違うかと。

パリにはシュバリエという馬料理屋がありました。私もよく行ったんですが、まだあるのかな。

 

とにかく馬は焼き過ぎ厳禁。

表面だけ軽く焼いたタタキみたいなブルーの方が味があって旨いです。

うちの畑のワイルドなニンニクを効かせたパンチあるソースでいきましょうか。