2020年01月24日
豪華です。
たまたまいろんな食材が重なりまして、なかなか良いコースになりました。
前菜はオーガニックブラータです。
サーモンのコンフィ、オーガニックブロッコリーとウチのミカンでサラダになります。
ブロッコリーは私の弟子が鹿児島で農家レストランやってまして、無農薬土着菌栽培という新しいカテゴリーの栽培法にチャレンジしてます。
私の畑のブロッコリーは惨憺たる結果でしたが、素晴らしい出来、尊敬して野菜の事を教わっております。
いやはや、食は底無し沼です。
フォアグラは珍しくソテーです。
野生キノコのソテーを添えながら、ソースは自家栽培大豆のバルサミコ酢煮込みをかけます。
フォアグラのソテーは滅多にやらないのですが、やるからにはしっかりとフォアグラ食った感ある仕上がりにします。
メインのオヌヌメはやはりニホンジカのバリエーションと鴨色々です。
鴨は小鴨、オナガカモ、黒鴨などなど数はマチマチですので悪しからず。
あと、今日から苺のタルト開始します。
2020年01月23日
思った以上にスムーズに事が運んだので、変に時間が出来てしまいました。
ジンギスカンが猛烈に食いたくなり、空港の食堂に期待していないので、ここはツルツル道路を歩いてススキノへ。
無料案内所に挟まれるように佇む昭和の店構えが突き刺さりました。
こういうお店が良いんですよ。
東京、特に渋谷はツルピカのビルばかりでつまらない街になってしまいました。
札幌は雑居ビルが多く、袖看板も訳わからない店が多くて良いかんじです。
ここはメニューは羊焼きと豚ホルモンオンリーなのが素晴らしい。
食ったらとっとと帰るのがマナーらしく、ジンギスカンはファストフード的な傾向が強い。
店のオヤジさんと羊トークで盛り上がり、隣のお客さんとも意気投合。
旅はこうでなくては。
さあ、帰ろ。
長い事来てなかったですね。
3年位かな。
札幌に仕事で来てます。
2011年からアドバイザーやっていたデパ地下惣菜屋は契約満了で昨年閉店。
今回は総菜屋ではなく、また別の話です。
まさかススキノに狩猟に来て私の黒光りする散弾銃から元気いっぱいのスラッグ弾をぶっ放し、小鹿ちゃんを持ち帰る為ではなく、ただの日帰りの出張です。
それにしても北海道はいいですね。
マジで移住したいです。
2020年01月22日
先日の狩猟で沢を詰めている最中、所々凍っており、これは良い傾向だと思った矢先、さらに源流に巨大な凍った滝が現れました。
高さは30m以上、ルンゼ状にバキバキに育っており、まさかこんな所にこんな素晴らしい氷壁があるなんて思いもよらなかったけれど、こんなに立派な滝ならば有名なのだろうと帰ってネットで調べても、山ヤのバイブルである日本登山体系を参照しても載っていない。
何故だ。
沢登り、いや普通にクライミングとしてもいい岩なのに。
ちょうど北東壁にあたるので、日当たりが極端に悪く、気温もマイナス8度くらいなのでバッチリ凍ってました。
ああ、あれは一体なんだったんだろう。
私は誰も登っていない可能性のある氷壁を見つけたかも知れない…
今度は鉄砲だけでなくアイスバイルとクランポンも持って行かなければ…
ただ、全くソロで登れる気がしない、というか本当に死んでもおかしくない場所と高さなのでオクヤさんを誘ってみようかな。
獲物のことより、あの滝のことが頭から離れない。
猟場としての縄張り意識の関係上、そして未開拓の氷壁ならば余計に秘密にしておきたい。
でも声を大にして言いたい…
あ!日本登山体系に載ってる山梨県の山域って書いちゃった!
でも、このブログの読者で日本登山体系読んでる人って多分2人くらいしかいないですよね。
私の猟場の山梨県某所の鹿と鴨、天然キノコです。
鴨はいろんな種類ありますが、数はまちまちなので売切れ御免。
釣り堀状態なので、遠慮なく。
本当は空気銃の方がカモは綺麗に仕留められますが、私は散弾銃しかないので。
この猟場は本当に獲物が濃いですね。
さらに沢を詰めて道無き道をズンズン進みます。
アイゼンとピッケルは必須、さらにワカンも使いながらラッセルして更に深い山に入ります。
私の場合、ロングトライアスロン→登山→トレラン→狩猟と来ているので、体力や登山技術的にはアドバンテージあるのだと思います。
ここは登山道ではないので、ここで滑落しても誰も気が付きませんし、助けになんて来れないでしょう。
人が入りにくいからこそ、獲物の気配が濃いんでしょう。
むむむ、獣の色が濃い。
鮮度の良いアシを発見。
近いぞ。
ん?
こ、これは…
熊ではないか…
結構デカいぞ。
この辺のクマは冬眠しないというのは本当でした。
山梨県ではツキノワグマの捕獲は自粛とされてますが、食い殺されそうになったとしても発砲してはいけないのでしょうか。
さて。
今回は親子の鹿でした。
母親と小鹿がいた場合、どちらを狙うべきか。子を失った母、母を失った子。
そんなトロッコ問題のような答えの無い問いに対して、やはり旨そうな方を狙うという私のが解。
これ以上の細かい描写や画像は割愛します。
人によっては気分を悪くするでしょうし、狩猟は自慢するためにやっている訳ではないので、血塗れの獲物を持って笑顔でピースするようなことはするまいと決めていますので、写真もありません。
タイミング見て知りたい人にシェア出来ればそれで十分。
鹿は解体し、骨はジュを取って前足から首とスネ肉の煮込み、肋骨はコンフィ、ロースとモモはソテーです。
ソースが旨い。
これだけシカ味がクリアに出せたのはいつぶりでしょうか。
パリのレストランにも負ける気がしません。
小鹿だったのもよかったのでしょうし、仕留めてからの処理も今回は迅速に出来ました。
敢えて淡々と書いていますが、私の中で生き物を殺して肉にする事に慣れた訳ではありません。
うまく言葉に出来ないのです。
少し考える時間が必要ですね。
今回の鹿料理は自信あります。
肉質も良いですし、バリエーション上手くできたので楽しめる一皿になってます。
個体は大きくないので、週末でなくなるかどうかというところです。
他にもカモもそこそことってきたので、是非。
2020年01月18日
とある地方の小売企業さんが新規事業として飲食事業やりたい、と。
元々が小売なので、飲食とは同じ食べ物を扱っていても飲食業は全くの異次元の話。
しかも、うちの湘南みたいなノリのお店をやりたいとなると、料理も菓子も惣菜も料理教室も数字もやれるオールラウンダー能力が必須。
これがなかなか難しいのです。
ウチは飲食、小売、食肉加工、カフェ、食肉処理、総菜、はたまた畑、狩猟という食べ物産業の総合デパートみたいな会社なので一通りの事はわかってるつもりです。
小売の感覚で飲食業やると痛い目を見る。逆もまた然り。
そこでキーマンとなる若いコックさんの卵を東京に呼んで私が育て上げ、現地にお返ししてその土地の食材で料理をベースに色々やるってのが回り道のようで一番近道だろうと。
これこそ、料理版光源氏計画ではないか。
料理人は人口の多い都市にどうしても集まってしまい、地方に食材加工の知識は薄くなりがちです。
そのミスマッチは日の目を見ない食材を掘り起こせないまま闇に消えるミスマッチでもあります。
すでにウチから巣立っていった若者が都市で地方で活躍していますが、もっともっとオジサンを活用してほしいものです。
キラキラした目をした若者を見るたびに自分が歳をとってしまった事を実感しつつ、若いモンにはまだまだ負けんぞと強がって見せるのです。
2020年01月17日
https://r-tsushin.com/sdgs/conference_01_patagonia_ogino.html
先日のダイジェストからの本編ですが、料理通信買って下さいね。
私たちの話した事はここにも書きましたが、他の人の内容やカンファレンスの全体像は誌面出ますので、そちらを買って読んでもらえればと。
まあ、とにかく私は偉そうな事を言っております。
でも、本心です。
料理人に圧倒的に体験が足りてないのは明らかな事ですし、それが様々な問題の根源でもあります。
環境保護や持続可能性というデカい話の前に私たちは自分に矢印向かなければいけないのだとおもいます。
食べ物が口に入るまでの過程での環境負荷は少なくなく、人間が生きるということは飯を食うということです。
現代人が飯を食うことで地球がドンドンヤバイ状況なるならば、それは考え直さないといけない。
今夜の食事が地球を良くも悪くも変えていきます。
オーガニックとは自分の利益ではなく、他者への利益であり、配慮です。
答えを見つける為には様々な体験をして自分ごとにしなければ他者の気持ちや負荷に対するイマジネーションが沸かない社会に生きています。
だからウチに食事に来なくてもいいんです。
誰かのために、自分のために料理をしてみてください。
食べ物とはモノではなく、多くの出来事で出来ていることが料理を通して理解でき、キッチンから世界が見えてくると思います。
まだ復旧作業中でして、ブログやっと書けるようになりました。
LINEとかまだまだ死んでて仕事に支障出ており、心の底からスマホにウンザリ。
スマホにウンザリ、ではなくこんな四角い電子機器が社会人としての役割や生活に多大な影響を与えると言うことにウンザリ。
文明が進歩して新しい何かが生まれるたびに人間は生き物としての能力や何かを失っていく。
不便さというものが逆に経済的な価値を生み、様々な不便を塗りつぶし、過剰な便利さが行き着く最終地点は、画一的に管理されたジョージ・オーウェル的全体主義なのでしょう。
2020年01月13日
牛のバラの先っぽ、カイノミです。
先っぽとか真ん中というのは何事も良いものです。
バラの先っぽであるこの肉にも当たり前ですが、真ん中と先っぽがあります。
真ん中は分厚くて先っぽは薄い。
バラの先っぽであるカイノミの更に先っぽはうちのウィちゃんがありがたく頂くとして、基本的にお客さんには両先っぽでは無い分厚い所を用意してます。
多分、焼肉屋さんでも出てこない部位でしょうし、フランス料理屋に行ってもほぼ出てこないでしょう。フランスのビストロならばポピュラーですが、何故日本ではマイナーなのかはよくわかりません。
焼くのは難しいです。
繊維が粗いので焼きすぎると国見さんの奥さんみたいにブシャーっとドリップ大噴射、焼きが甘いと国見さんの旦那みたいに噛みきれない食えない男肉になります。
うむ、そうか、焼くのが難しいから日本では出てこないのか。