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2019年11月29日

料理通信イベント その1

400人規模の会場はほぼ満員。

 

 

10年前にこういうイベントやっても満員にはならなかったと思います。

 

11時から小林武史さん、小林寛司さんの講演の後、14時からパタゴニアの近藤さんと私という異物混入コンビです。

 

 

パタゴニアの理念は先頃変わりまして

地球を救うためにビジネスを営む

ということ。

環境負荷の最小化やリサイクル、リユースという、現在の一般的なエコ思想に対して、かなりカウンターでパンクなパタゴニアらしい思想だと思います。

 

もちろんパタゴニアはこれまでも業界に先駆けてオーガニックコットンに切り替えたりフェアトレード、リサイクルポリエステルの実現など画期的な取り組みはありましたが、それは本質的にサステナブルではなく、お茶を濁しているだけだったと自己否定し、理念をよりストイックに変更したわけです。

 

サステナブルという標語みたいな言葉を国連やメディアが使い始めたことによって、これってサステナブルだよね、と目をキラキラさせて語る人は増やしましたが、その本当の意味と意義を理解している人はどれだけいるでしょうか。

地球上で増え過ぎた人間が何かすれば、そして何かを作れば必ず違う何かに負荷を生むということであり、それはブラジルで誰かが羽ばたけばアメリカでハリケーンが吹いて日本の桶屋が儲かるという事です。

去年の炭素排出量が過去最大、今世紀末には産業革命前より3.9℃上がると試算されてます。

プラストローをやめても電気自動車に変えてもサステナブルナンチャラという新しい食べ物を食べても単なる延命治療に過ぎません。

もはや、なにかを削減したり代替してどうにかなるフェーズではない。

パタゴニアの提案は対症延命療法から根本治療への移行として、今まで放出してしまった炭素を戻す仕組みを作り上げれば、やればやるほど地球が綺麗になるというのがそのロジックです。

 

ウチでも提供している炭素を地中に固定する多年草の麦から作るビール、海水をろ過するムール貝、昔ながらの選別漁法によるサーモンなどは持続可能性ではなく、環境再生型へのシフトを意味します。

それらが地球上の全ての人を養えるわけではありませんが、勝ち逃げしている先進国の私たちが選択すべきはお茶を濁すような生温いやり方ではなく環境再生型に未来を見つけるしか道はなさそうです。

 

 

私は火星に住みたいとは思いません。