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2019年11月24日

ありがとうございます

 

皆様の愛を感じます。

 

國吉君もありがとう、後で電話します。

 

今回のメニューは私の大好物シリーズです。

赤ピーマンのムースは顎でトリュフを感じ、塩の替わりにキャビアで味をまとめる贅沢品。

 

フォアグラのテリーヌは説明不要ですね。

ブリオッシュと一緒に大きく切って口に放り込んで体温で溶けていくときのフォアグラの香りに悶絶してください。

 

 

ヒラメはトランペットと合わせるという、ランスのジェラール・ボワイエの得意な組み合わせ。

それを今回はフェルナンポワン風にしました。

 

メイン、これが実はなかなか深い料理でして、写実的料理として地方に食材を頼るパリを中心に流行った料理です。

 

鹿肉のようにマリナードキュイに1週間漬け込んだ牛ヒレは鹿肉を軽々と飛び越える赤ワインと香味野菜の風味を纏って馥郁として豊潤な深みが出ます。

鹿肉を使わなくても野性的な味わいに肉薄する仕上がりとなります。

これこそがフランス料理の真骨頂、手をかける事で素材に新しい側面の魅力を付加し、元々モデルとなった料理を凌駕します。

しかし、これは本来の鹿肉のポワヴラードを食べ込んでいる舌に対してアプローチしなければ、そのユニークな味わいは理解されません。

ロッシーニやマリアカラスみたいな誰が食べてもムヒョーウメェーっていう分かりやすい美味しさとは完全に一線引いたマニアック極まりない料理なのです。

優れた絵画に説明が要らないように、優れた料理芸術には説明は不要です。

しかしヘタレで自信のない私は、こうなんですよ、ああなんですよね、実はコレはアレなんです、と講釈つけないと不安で仕方がないのです。

 

 

 

周年ディナーのような、ウチの店でコテコテの料理を食べ込んでいる常連さんでなければ理解していただけないと思い、今回のメインは鹿肉のように調理した牛フィレのポワヴラードとしました。

ソースは肉を漬け込んだ野菜と屑肉、スジ、赤ワインをじっくりと煮出し、コンソメとフォンを注いで丸一日煮出したものを静かに煮詰めたモノです。

仕上げに酢と砂糖、胡椒を煮詰め、さらに赤ワインをギリギリまで煮詰めたガストリックというものを加えたソースです。

 

見た目は地味なのですが、恐ろしく手間と時間がかかっている料理なのです。

 

 

デザートは小田原で自然養鶏やっている壇上さんのレモングラスをだっぷりと使ったプリンとソルベです。

ハーブはドライよりもフレッシュ派なので、生き生きとしたハーブの香りを最大限に発揮した仕上がりです。

 

今日も楽しみです。