Home > 2019年10月19日

2019年10月19日

スクランブルスクエア

という施設が来月1日に渋谷にオープンします。

https://www.shibuya-scramble-square.com/

そこにターブルオギノが出来ます。

すぐ隣のフードショーにもターブルオギノあるんですよ。

なのになんで?

って至極真っ当な話ですが、渋谷はご存知の通り再開発の真っ最中でまだまだ完成しません。

全てが終わるのは、なんと2027年。

私が48歳の頃。

もはや私はその頃、東京はおろか日本にいるかどうかも怪しい所です。

 

まだまだスクラップアンドビルドが続くわけでして、フードショー自体も来年から取り壊しやら移転やら始まります。

そこにあるウチの店が残るのか取り壊しかはまだ決まってません。

その決定をチンコくわえて待っている訳にもいかないので、ここで腹括って出店しようと。

 

同じ店を作っても仕方ないので、ターブルオギノなんですけど、レ・ヴィアンドという頭文字をくっ付けた店にします。

ヴィアンドとはそう、肉です。

シャルキュトリー を頑張ってきた自負はありますけど、それも10年経ってだいぶ普及してきた感があり、このままやり続けますけど、そろそろ違う事をやりたいなぁと。

 

今回、この店で表現したいのは

フレンチおかず

です。

フランス料理はパンとの料理です。

それをご飯に合うフランス料理を作ってみたい、というコンセプト。

それはもはやフランス料理ではなく、フレンチ風おかずです。

だからこそ、ターブルオギノでやるのです。

ブッフ・ブルギニオンに八丁味噌入れてみたり、

豚の角煮を赤ワインでやってみたり、

鳥のビネガー風味の要領でミードボールやってみたり

豚のコンフィで生姜焼きをやってみる。

 

一般的な洋食とはご飯に合う西洋料理という定義ですが、私たちのフレンチおかずは少し異なります。

フランス料理人がご飯と合わせる料理を作ったらこうなった。

という位置づけ。

出汁はデミグラスやフォンドボーではなく、昆布や椎茸、カツオ出汁。

塩胡椒だけでなく醤油や味噌もバンバン使います。

ご飯に合うね、でも食べるとやっぱりフランス料理だ。

そんな今までにありそうでなかった料理を目指します。

 

この”ありそうでなかった”というのが私たちのような弱小メーカーに残された道でして、決して王道では無い部分、登山で言えば誰も行かないバリエーションルートみたいなマニアックながら刺さる人には刺さる商品をやらねばと思っています。

 

この商品開発をここ最近ずっとやっていたんですけど、これが面白くて楽しくて、どんな仕上がりになるやら出来てみないと分からないという不安と期待で久しぶりにヒリヒリしました。

 

そんな訳で店は暇なのに私はクソ忙しいです。

秋が来たね。

これをやらないと秋が来ないんですよ。

 

 

クライミングのための指懸垂で鍛えたゴッドフィンガーが無ければこんなに沢山剥くことなんて無理。

 

ウチの若い奴に、

なんで甘露煮使わないんですか?

って、聞かれました。

そ、そうだよな…その方が楽だよな…

でも、わざわざやるのは意味があるからなんだよ。

それは渋皮煮と甘露煮を食べてみて自分で考えなさい。

と、伝えておきました。

 

今日から始まった、鹿肉と栗のテリーヌ。

これには市販の甘露煮で、ターブルオギノで販売するので大量生産出来るようにしました。

テリーヌに渋皮煮入れると肉の風味を邪魔するんですね。そんなに大量に剥く時間もないし。

 

適材適所ですけど、レストランはなるべく全部自分でやりたいなぁと言う私のワガママに付き合ってもらっている部分も大きい。

 

渋皮煮が出来たらマロンパイ始めます。