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2019年08月03日

そういえば

クール宅急便で思い出しましたが、

昔、お客さんでAVの監督という男達の夢の職業されている人がいまして、成り行き上、どうしても断りきれずにそのお客さんの作品をたくさんもらったことがあります。

既婚だった私はその貴重な作品群を家に持ち帰ってムヒヒなことをする事が不可能な状態にあり、さてどうするか、と考えたところ、外苑か青山かにある、今をときめくレストランの某シェフがエロDVD好きだったのを思い出し、送ってあげることにしました。

 

数にして200本以上の作品は巨大なダンボール満タンで15キロほど。

爽やか系イケメンで売っているシェフなので、ダンボールいっぱいにムヒヒなモノを送ってもらったとスタッフにバレるのは可哀想だ。

そうか、クール宅急便で野菜を送ったことにすればスタッフにも怪しまれる事はないだろう。

冷やすと画質が良くなるという都市伝説もあるし、ボクちゃんは大変気がきく。

ヤマトさんの伝票に新鮮野菜と書き、揺れるとガチャガチャ硬い音のする新鮮野菜達をクール宅急便でキンキンに冷やして送ってあげました。

それはそれは喜んで、それから何日か寝不足でしたよ、との嬉しい感謝の電話がありました。

 

いやー、彼が出世した時に文春にこのネタを提供するのが楽しみです。

 

 

 

 

クルジュ

ほらね、今日も怒ってます。

 

 

昔、ニースから種を密輸して北海道の農家さんに作ってもらったズッキーニのオバケみたいな野菜、クルジュ。

 

今では各地で在来種として作られているようです。

 

これは高知県からきました。

北海道のクルジュはもう少し太くてカーブが緩やかだったので箱に入らなくて大変でした。

なので、箱に入れずにプチプチで巻いてクールじゃない宅急便で品名はワレモノ厨房部品という事で送って貰ってました。

 

味わいとしてはなんとも表現のしようがなく、食べてもらわないと理解出来ません。

 

元はズッキーニ系のウリの仲間なのでそれっぽい感じですが、日を置いて熟成させるとカボチャ感が増してきます。

 

せっかくなので、タネを採って私の畑に来年蒔いてみよう。

湘南の気候で在来品種となったらどんな感じになるのかな。

 

 

 

薄っぺらい料理

例えば、具沢山サラダを作るとしてテリーヌやハムを仕込んだとする。

それぞれはそれなりに良い味わいと仕上がりだったとして、

サラダ菜は農家直送のオーガニックでクオリティがその辺の葉っぱとは明らかに別モノで、それ自体に圧倒的なパワーがある場合、ともすると一体何を食べさせたい料理なのかがボヤける。

シャルキュトリー を食べさせる一皿ならば、テリーヌは厚みと存在感、完成された味わいが必要だけれども、葉っぱを食べさせるサラダなのであれば薄く何枚も切って旨味として添えるべきだろう。

 

ボリュームサラダ的にそこに卵をトッピングで載せたい。

チーズかけたらもっと美味しくなるかも。

さぁ、どんな卵を載せるのだ?

なんのチーズを載せるのか?

固茹で卵をくし切りにするのか、半熟卵のトロリとしたところを葉っぱに絡めてたべさせるのか、粉状に砕いてミモザとして全体に散らすのか、ポーチドエッグにして主役級の役割を持たせるのか、変化球で温泉卵として液体状の卵白とトロリとした卵黄のテクスチャーを求めるのか、だとするとそれは何故なのか?

卵を載せることで全体の塩味は薄まる代わりに卵黄のコクとタンパク質のボリュームが出るけれど、ヴィネグレットを変える必要もあるだろうし、そもそもそうする事の意味合いは一体なんなのだ。

卵で薄まる塩味をチーズで補いつつ、卵とチーズを繋ぐ葉っぱの役割を殺さないソースとはどんなものだろう。

酢は生で入れるのか、少し火を入れて酸味を飛ばした方が良いのか、レモン汁の方がいいのか?

肉のテリーヌ作るなら、皿の上にテリーヌ1枚だけで完璧に料理として完結しなければテリーヌではない。

 

何を作るにしても、ウチのスタッフにはこういうことを毎回毎回執拗に問います。

問われても答えられないような浅い要素は容赦なく排除していきます。

 

意味のあるモノを足し算するのがフランス料理でありながらも余計なパーツを排除した機能美とも言える味わいこそが美しい。

そして美しい料理は旨い。

 

逆にどうでもいいモノを付け加えたくなるのが初心者的発想。

複雑になればなるほど本質が見えにくくなり、ゴマカシがしやすいですから。

でも、それは素材を活かすことにはならず、ただの料理人のマスターベーション。

 

思想や思考の無い料理は料理に非ず。

 

 

だいたい私は毎日イライラしてるし、いつもキッチンでは怒ってるし、満足したことなんてこの20年で1日たりとも有りません。

 

今日も怒ってます。

正しい肉の焼き加減

 

血が滴るくらいの若い火入れ、でも生ではないロゼ。

しかも、ヌルくはなくしっかりと熱い。