2019年08月01日
もう一回バベットの復習
バベットはハラミではなくバラ肉の後ろの肉です。和名でカイノミと言います。
ハラミは横隔膜なので内臓と言えますがバベットは精肉部分といえます。
ハラミにも2種類ありまして、横隔膜が背骨につながる付け根の太い部分をサガリ、そこから薄い横隔膜につながるビロビロの筋肉部分をスカートと呼んで区別しています。
この辺りからは解剖学的な話になりますが、料理の場合、解剖学的よりさらに突っ込んで食感とか味わいの話になります。ベジタリアンの方はこの辺りからNGですよね。牛クラスの大きさになるとこの辺りの違いが明確に出ますが、人間サイズでもある豚や鹿サイズだと横隔膜やバベットは小さく、区別が難しくなります。
国見さんは体幹強そうなのでサガリが極太っぽく、奥さんはエロそうなので横隔膜スカートのビロビロがかなりビロビロしてわかりやすそうです。
そして桃子さんのバベットは単純に美味しそう。
料理人でも四つ足を一頭完璧にばらすことが出来ないとこの辺りの違いや部位の場所はわかりません。
肉質はよく似ていますが、味わいは全然違ってバベットは繊維がハラミよりもさらに粗いので噛み応えが良く、少し若めに血が滴るくらいの火入れに留めないと魅力半減です。
カイノミはバラ肉の一部ですので人間と同じようにサシが入りやすい。お腹周りに脂肪がつきやすいのは牛も同じです。
ですので、うちでハラミを食べたことあるお客さんは一度カイノミを試して頂きたい。好みは出ると思いますが、脂を含んだバベットと赤身バリバリのハラミはフランス牛肉料理部位としては非常にポピュラーなのです。
それを経験した後、来週から始まる下品な牛ヒレを食べていただければ、肉質によってソースを変えてくるフランス肉料理の奥深さを知っていただけると思います。