2019年07月03日
高知のベジライフファームさんからナス攻撃を受けており、様々なナスが沢山来てます。
ナスは面白く、難しい食材です。
そして、私は茄子を愛しています。
私が好きな果物はパイナップル、愛した野菜は茄子なのです。
タイナスというピンポン球みたいなタイ料理に使われるナスは主にタイカレーのように強い味で煮込むのに向いています。
焼いても揚げてもよろしくない、やはり煮込むのがよろしいのでリドボーとブレゼになります。
水茄子は大阪野菜で今では全国で作られていますが、非常に瑞々しくナマ食が最高です。
マグロの角切りに大きめにカットした水ナスを入れて醤油とごま油、白ゴマで和えれば最高のオカズになりますね。
豆腐潰して加えて白和えにしてもいい。
店ではマグロのタルタルに加えます。
ナスは基本的に油と相性が良いので揚げるか多めの油で焼きます。
ご家庭ではナスの生姜焼きがオヌヌメ。
大きめに切ったナスに片栗粉まぶして多めの油で焼き、火が入ったらボウルにとって生姜醤油をバッとかけて混ぜれば出来上がり。
店では焼いてる最中に生姜醤油入れてザーッと煮るのですが、油が跳ねて火傷して私にクレーム入る可能性があるので油から上げてから生姜醤油で和えてください。
ムッチリした重さのある良いナスなら肉みたいな旨味があります。
マーボーナスみたいに強い味でナスの優しい味わいを消すよりもこうしたシンプルな味付けの方がナス好きには好まれるでしょう。
やはり、焼きナスはキングオブ茄子料理でしょう。
直火で焼くだけで皮の剥き方がコツがあるのですが、それは私でなくYouTubeあたりにアップされているでしょうからそちらに譲ります。
茄子は奥が深く、色が濃く、形がエロい。
ターブルオギノのデリサラダが3刷決まりました。
料理書だけで夢の印税生活なんて本当にできるんですかね。
まあ、最低でも10万部売らないと無理でしょう。
私の著書は全シリーズを全部まとめても5万部いかないくらいですので、全くお話になりません。
翻訳されても、私にはどうということはありません。
そもそも料理人自体が10万人くらいしか居ないので、その中でフランス料理人なんて1500人くらいか。
プロ向け料理書ばかりやってても夢の印税生活なんて出来ませんが、私は一般向けの本を作ったり一般向け料理教室というのが苦手なのでいつまでたってもが卯建があがらんのです。
まあ、儲けて楽するために本を出してんるわけではないのですけども。
下関の鱧が来ました。
どうすっかなーーと思いながら農家直売所に行ったら藤沢の井出農園のトマトが良さそうな顔をしていたのでまとめて購入。
この、どうすっかなー、という時間が私が料理している時間なのです。
アレをこうしてこうしたら多分こんな味になるから、食感入れるためにはアレをアレしてみても良いか、いや、アソコにアレがまだあったからアレとアレをアレしてアレにアレしてみると面白い。
この時間は誰にも邪魔されたくないクリエイティビティな時間。
この時間こそが私が私たり得る意義があります。
最近はこの時間を何よりも大事にしています。
それはキッチンにいなければならないという訳でなく、第三京浜でアルファードの煽り運転の被害者になっている時でも良いし、海の上でセットのウネリを待っている時でも良いし、クライミングで二の腕プルプルしている時でもいいんですけど、とにかく徹底的に独りで無いと駄目なんです。
そのトマトでガスパチョを作ってハモと合わせることにしました。
それにしても湘南は豊かです。
スイカ、トウモロコシ、カブ、トマト、ズッキーニ、ナス、人参、スモモ、桃、この時期の野菜や果物が全て地元で揃います。
新たに始める200坪の農園は何をやろうかと思ってましたが、200坪もあればやりたいことが全て出来ますね。
ちょっと思う事ありまして、ある作物を広く作る予定です。
とはいえ、天気が不安定なのでなかなか耕す事すら出来てないのですが、とりあえずは梅雨明けるまでは手を入れられないですね。
明けたらトラクターで一気にやりますよ。
農とは待つ事であり、自然相手にどうしようもない事に対してはサッサと諦めるという事ではないかと最近思います。
赤ワイン煮込みにしました。
なかなかデカイ猪なので毛皮を期待したもののパーツでの入荷となりました。
ソースの仕上げに血が入るシヴェバージョンです。
2019年07月02日
イベントで登壇するといつもフワッとした後悔に苛まれます。
普通は、
ボクちゃん今日はこんな所でこんな講演してきたしたよ!
いいね!ください!
みたいなことなんでしょうけど。
私はいつもそういう気になれません。
朝日新聞の本社講堂で食品ロスとアパレルの廃棄についての講演会に登壇して来ました。
この手のイベントは聞き手が限られるので、そもそも人が来るのだろうか、15人くらいしか参加者居なかったら歌でも歌ってお茶を濁しながら車座になって討論出来ればいいなぁと思ってました。
行ってビックリ。
150人収容の講堂は超満員、募集枠に何倍もの応募があってお断りした方々かなりいるとの事。
なんでもスマホで調べられる現代において、人の話をわざわざ時間作って聞きに来てくれる人がこんなにも多いことに驚きました。
私が一次産業のロスについて色々始めた時は何も情報もなく手探りで始め、目の前にある農家さんの悩みやミスマッチをとりあえずいい方向に向けていくということしかできませんでした。
話の成り行き上、どうしても特定の企業や団体を批判、もしくは槍玉に挙げ、ズレた消費者意識に対して正義を叫んで悪を生み出してしまうのですが、人の批判を出来るほどに私は偉い人間でもなく、全てを完璧やっている会社でもありません。
わたしには皆さんの前で講釈垂れる資格など無い。
と、いつもドヨーンとした気持ちになります。
食べ物の仕事を20年もやってて、ずっと原因側にいた自分はこの20年で少しでも解決の一部になれているのだろうか。
40歳になり、人生の終わりが見え隠れし始める年齢になりつつも、まだ何も出来て無いという事に絶望すらします。