2019年06月28日
焼きトウモロコシのポタージュ
今年もこの時期が来ましたね。
だいたいコーンスープって言うと缶詰使う事が多いと思うんですけど、せっかくなら生モロコシを使って欲しいです。
私は白い果肉が入ったものと黄色と半々でやることが多いです。
白いトウモロコシは最近スーパーでも見かけますが、実はなかなかのストーリーがありまして、黄色いトウモロコシと同じ畑で育てられないのです。
花粉が飛んで混ざってしまうと良くないので、白いものは離れた別の畑に隔離して作らないといけないのです。
トウモロコシって今日の形になるまでに色々と進化してきており、それは人の手による品種改良な部分も多いのですが、非常に興味深い生態なのです。
まず、自分で受粉出来ません。風媒花と言われますが、基本的には人が花粉を頭に生えてる毛みたいなものに触れさせて受粉させます。
これはなぜかと言うと、雄しべから花粉が飛び出すタイミングが一足早く、その頃雌しべである実の方は毛が生えてなかったりするんですね。
例えるなら、YES NO枕が旦那の方はかなり前からYESなのに奥さんはまだまだNOで、そのうち毛が生えてYESになる頃には旦那はススキノでタネを飛ばし切ってEDになってしまう訳です。
そこにマラドーナ的な神の手でチョメチョメしてやるとめでたく繁殖成功となるわけです。
これはオッサンの農家さんがたとえ話で言ってました。
これやらないと粒がない歯抜けな仕上がりになり、めでたく実を付けたら収穫です。
さて、ここで疑問点。
では、トウモロコシとは、人間の手助け無しには繁殖できないのではないのか。
今の栽培法と品種ではそうなり、無論野生化出来ないのです。
人間の手を借りなければ繁殖出来ないことはデメリットですが、人間に世話をさせて人工受粉をする事で外敵から身を守れます。自分の実を人間に与える事で生き残ってきたのではないか?
トウモロコシはある意味人間を利用し、その実食べさせる事でお互いの利益を尊重しながら生存競争トーナメントデスマッチに勝ち残ってきたように私は思えてなりません。
そうした意味から人間と狼犬との関係性にも似ています。
以前、夜明け前に収穫すると書きましたが、太陽が昇ると養分が実から葉っぱや芽に行くため糖度が下がるらしいのです。
夜明け前に取ったトウモロコシは生で食べても甘いラブジュースがたっぷりでそれはそれは旨いモノです。
今回は藤沢で夜明け前に収穫されたトウモロコシの表面を直火で焼いて煮込んで冷たいスープにします。
ランチのスープとして、ディナーでは濃いめに仕上げてウニでも載せましょうか。
トウモロコシはコーンスープや焼きもろこしでしか食べた事ない方がほとんどだと思いますが、実は極論言えば私達現代都市生活者はトウモロコシで出来ているといっても良いでしょう。
それはどう言う事?
と、思った方はマイケルポーランの
雑食動物のジレンマ
という本を読んでみてください。