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2019年03月31日

さあ、付いてきてくださいね

ウチの週明け、3日からメニュー変えていきます。

変態古典コース以外の通常メニューも変えます。

年号も変わるしね。

せっかくなので、年号変わった所でありがとう平成メニューやりますか。

平成に流行ったアノ料理や懐かしのスイーツ。

もはやoginoとは何のカンケーもないメニューのオンパレード、ヤキが回ったとでも言われそうなラインナップ。

鉄骨飲料あたりから始めてパンナコッタとかティラミスとか生キャラメルとか食べるラー油。

料理というより駄菓子か。

 

さて、メインでは珍しくパンタードでも行きますか。

フォアグラとトリュフ仕込んでパイ包み焼きです。

白身肉とフォアグラの組み合わせが大好き。

 

砂肝のコンフィも久しぶりに仕込んでみます。

作りたての圧倒的な旨さは本当にヤバい。個人的に一番好きなシャルキュトリー かも。食べ始めると止まりません。

甘い北海道じゃがいもとサラダにします。

ジャガイモ攻撃を農家から食らったので、ジャガイモのシンプルなポタージュ仕込みます。

また寒いので温製ポタージュです。

週替わりテリーヌは変態顧客様のために一旦お休み。

 

前菜はトマトの季節になってきましたのでガスパチョいきます。少し早い気もしますが、必ず合わせる貝類の時期考えるとそろそろです。

トマトは四月五月が旬だという事はあまり知られていません。

長崎五島のトマト買いたい所ですが、またダダスベりするのがちと怖いか。

貝はツブ貝とホタテを生でスライス、ちょっと辛味効かせたガスパチョかけて青ネギ載せて出します。

これはアランデュカスお気に入りでルイキャーンズの夏の定番メニューになったようです。

 

ホワイトアスパラは続行、どういう出し方するかは水曜日の朝にウィーちゃんと散歩しながら決めます。

 

 

サザエさんへ

5月9日は予定と身体を空けといてちょんまげ。

 

 

例のヤツやりますんで。

質問を受けました

ホワイトアスパラガスは剥いた皮も一緒に茹でるのに、グリーンはどうして一緒に茹でないんですか?

 

とのこと。

 

え?

アスパラガスの皮を一緒に茹でるってどういう意味があるんですか?

と、逆質問してしまいました。

ネットで検索すると出るわ出るわ、剥いた皮とアスパラガスを、一緒に茹でてね説。

 

一体誰ですか、こんな事を言い出したのは。

こんな事に何の意味も無いです。

挙げ句の果てには茹で汁に漬けたまま冷ますとか。

それじゃクニャクニャで私のチンコみたいになっちゃいますよ。

 

フランス料理の都市伝説として、アスパラガス茹でる時に紐で何本か縛って茹でる説も未だに蔓延ってますね。

これも意味ないです。

てか、紐で縛った中の方のアスパラは火が当たらないから火通りにムラが出来ますよ。

昔、紐で縛る説をフランス人キュイジニエにした事がありましたが、答えに困ってました。

こうやって教わったからそうしているだけだ、と。

 

細くて柔らかいアスパラガスなら皮を剥かなくても良いし、剥くなら頭から10センチより下を薄ーく剥いて下さい。

一般に売られているアスパラならほとんど白でも緑でも剥かなくても良いんじゃないでしょうか?

フランスの極太モノは流石に剥きますが、それでも下の方の超硬そうな所だけですよ。

 

アスパラ曲げて折れる所から上が食べられる所、って意味不明な説を唱えてるのもありましたね。

 

 

何を良しとするかは自由ですが、せっかくの材料が台無しになってしまうのはもったいないなぁと。

 

オカンから

鼻毛カッターが送られて来ました。

 

 

なんでだろう。

誠に勝手ながら

変態コースですが、来週からは偶数ですと有難いです。

 

ちなみにリドボーの次はマリアカラスを予定してます。

畑2年目は

ちゃんと収穫出来るように頑張りたいです。

 

一年目は自然栽培として肥料も何もやらず、水すらも雨頼みで放置栽培的な感じで様子を見ましたが、結果は散々。

まともにできたのはサツマイモとカブくらいか。

紫キャベツはいつまでも結球せずに綺麗な花を咲かせて終了し、聖護院大根もそれはそれは綺麗なお花を伸ばして終了。

ルッコラは姿を見せず、ほうれん草はマルチ敷けば上手く行くのか?

かろうじて、キヌサヤはツルを伸ばしてくれてますが、どうなるやらわかりません。

こりゃいかんなと。

なので、2年目は有機農法でやりたいと思います。

これからはキチンと先生の講習を受けて初心者丸出しでやっていきます。

いやー、プロ農家さん凄いわ。

マジで尊敬します。

 

それにしても狩猟もそうですが、40歳過ぎて初心者ヅラして何かを始めるのは楽しいです。

 

犬の散歩していても、家の周りにある畑の生育具合とか植わっている作物の種類とかが気になり始めました。

おー、そうか、そうやってやると上手く行くのか、みたいな。

うんともすんとも言わなかった私のほうれん草が近所の畑ではマルチかけている影響か、ガンガン伸びて美味そうに葉を伸ばしています。

ほうれん草の収穫は根っこから取ってもいいけど、茎を切るとまた伸びてくるんだよ、と初耳な事ばかり。

20年コックやってて知らないことばかりで恥ずかしい限り。

 

そろそろ狩猟も次の段階に進もうと思い、四月には猟銃所持とはまた違う狩猟免許の申し込みをする事になります。

これは鉄砲所持と同時進行でやらねばならず、毎年夏にしか講習が取れないので逃すわけにはいきません。これを逃すとハンターとして今年山に入れません。

鉄砲は実弾の射撃試験を受けるための講習会と試験を合格したら、公安委員会の身辺調査の後に銃砲店で鉄砲を買い、型番を届け出て猟友会に入会してやっと山に入れます。

山に入っても一人で仕留めるには経験を積まなければならず、猟友会の大先輩がたとの巻き狩りという犬を使った猟で場数を踏んで獣の習性を知り、やっとこさ単独猟が出来る訳です。

最初は猟銃だけの狩猟免許を考えてましたが、罠猟の免許も取ろうと思ってます。

これは大型トラックと二輪の免許みたいなもので種類が異なるので、やるならとらねばなりません。

いやー、忙しいです。

 

ある友人は山林付きのボロボロの古民家を格安で買い、時間かけながらDIYしているようで、ものすごく憧れますね。

自分の住む家を自分で作る、なんてウチの息子達にも良い勉強になるだろうなと。

そんな事を考えていると時間なんていくらあっても足りませんね。

2019年03月30日

ちなみに

弊社の新人研修制度はヒッチハイクだけではなく、

GWの渋谷でナンパ

夏の接待登山

という三回セットなのです。

今年はどの山に行きますかね。

地獄の甲斐駒ケ岳黒戸尾根ですかね。

川崎クライマーキクチさん、今年もよろしくお願いします。

久し振りに

体調を崩しました。

 

昨日は暇だったから良かったけど。

 

何年かぶりに熱っぽくてダルくて立っていられないほど。

 

何でもかんでもすぐに病院に行く趣味は無いので気合と根性と蜂蜜レモンたっぷりの紅茶飲んでガッツリ寝たら完全復活。

自然治癒力はまだ衰えてないかな。

 

そうそう、新入社員くんが入りました。

先輩がたはトコロテン方式でポジションが上がり、アトリエ勤務で肉三昧なヤツもいれば、野菜まみれになるヤツ、私の横でパワハラ三昧なのも居ます。

毎年恒例の新人研修である無理矢理ヒッチハイクからやってもらいます。

これをやると一皮剥けますよ。皆さんの職場でも是非やってみてください。

昨今はパワハラとか言われるんですかね?アホらし。

ヒッチハイクは相手の事情を慮る事を覚え、どうすれば気持ちよく乗せてもらえるのか、逆の立場ならばどう考えるかを悶々と考え、時に圧倒的に弱い立場ゆえに存在を否定されて心が折れそうになり、普段交わらないような人たちと濃密な時間を強制的に過ごす事でフリートークスキルが上がって明るくなり物怖じしなくなりますね。

私も許されるならヒッチハイクかブルベで根室を目指したいです。

新卒スタッフが入ると、それぞれの目標の通過点として自分の下で働いているという事を忘れてしまい、シェフのほとんどは自分色に染めていきたいという光源氏みたいな欲求に駆られますが、そんな事しても意味ないんですよね。

自分がそうであったように、粗方納得したら辞めて次のステージに行くのがこの業界でこの仕事です。

しかし、一緒に働く時間の中で少なからず私の思想や哲学は本人の料理人としてのDNAに確実に刷り込まれ、ふとしたきっかけでムクムクと芽を出すこととなります。そんな時に恥ずかしくない思想だけは持っていたい。

最終的には強烈に孤独な立場となり、自分の意思と責任で物事を考えて決めていかなくてはいけなくなります。

育つ子は勝手に育つし、辞めて欲しくなくてもドンドン辞めていきます。そこでオロオロするくらいなら店や会社なんて出来ません。

たとえ1人になっても何とかして生きていけるハングリーさと柔軟性を身に付けて行く事こそが、コックに限らず大切な事ではないかと思います。

 

 

 

さて、四月後半に出る本ですが、変態古典コースとして来週から小出しにしていきます。

リドボーやパテアンクルートなど、レアな料理オンパレードですけど、特別コースにしなくてもお出しできる普通の料理もあります。

例えば仔牛肉のマレンゴ。

フランス料理には牛肉のトマト煮込みという料理は存在しませんが、敢えて言うならこの料理がトマトっぽい。しかし、イタリア料理的なトマト煮とは全く異なります。

昔、賄いで牛肉のトマト煮なるものを私に出してきた勉強不足のスタッフがおり、メチャンコ怒った思い出があります。厨房で軽く暴れましたね。

 

逆説的ですが、この料理はトマト煮っぽくなるとダメなんですね。

これがなかなか理解されてない。だいたいレストランとかでマレンゴと言われて食べてみるとただのトマト煮込みな訳です。

おいおい、コレ違うだろ、ってね。

 

 

本では骨つき肋肉でやってますが、肩やウデとかでも出来ます。

元々の成り立ちがマレンゴという地理的な条件で手元にあった食材で作るというのが本質ですから、鶏肉でもいいし仔牛肉でもいい、そして揚げ卵添えたりザリガニ添えることもあるようです。

白ワインとトマトを入れる事がマストであり、あとは足し算して行くだけの料理ですが、シンプルなだけに難しい、そして違いが出やすい。

 

 

今日これから仕込んで出します。

来週はこんな感じで今まで以上にクラシックなフランス料理がメニューをザワザワさせると思います。

 

 

2019年03月28日

せっかくなので

来週からの出版記念変態メニュースペシャルですが、

せっかく高いお値段いただくので、特別な素材を使い、いつもとは手間の掛け方が段違いな料理を特集します。

 

すでにSNSでは発表されてますが、メインはオランダの最上級リドボーです。

フランスの子牛はほとんどがオランダからの子牛で、日本で言うところの宮古島や石垣島、北海道の白老町といったところでしょう。

 

リドボーは乳を吸うための筋肉で、大人になると消えます。

稀にキクチさんやホソヤさんみたいに、川崎やススキノでの接待用として今でも敢えてダイソン並みの吸引力のリドボーをご自身に残している方が見受けられますが、基本的には無くなってしまうため、非常に高価で流通限られます。

 

本では2種類紹介しております。

リドボーの真骨頂はムニエル、

てはなく、ブレゼなのです。

ブレゼとは少量の水分で蒸し煮にした料理でフランス料理独特の操作となります。

トリュフとゴボウ、マデラ酒でじっくり煮込み、煮詰めたソースを添えます。

 

前菜の1つはパテアンクルート。

これも最近めっきり見なくなった料理ですね。

しかし、フランス料理の重要な技術がオンパレード。

シャルキュトリー の中でも最高難易度と言ってもいいでしょう。

フランス料理の職人認定制度であるMOFですが、毎回ガルニにお題をつけたパテアンクルートが課題として出されるようです。

 

今回はイノシシとフォアグラのパテアンクルートで、これは最低でも2台で焼かないと上手く出来ません。

前菜もう1つはカツオの燻製

そしてデセールはコーヒーのブランマンジェ。

イルプルが縮小とか。

私はイルプルで修行した方の下で菓子を学びました。

考え方、分量の計り方、混ぜ方に至るまで常軌を逸した菓子づくりで度肝を抜かれました。

その時に教えてもらったコーヒーのブランマンジェ、苦しく懐かしい思い出です。

 

仕込んだ分しか提供しない為、限定数切ってますので無くなり次第、次の料理に変わって行きます。

沈黙の春

鵠沼の川沿いは既に桜が咲いてます。

去年は海水温が異常に高く、6月でもサーフパンツでサーフィン可能という異常事態。

こりゃ猛暑と大雨だ、と言っていた私の予言は大当たりでした。

さて、今年はどうなるやら。

 

 

値上げの春です。

残念ながら、ウチの5800円という価格帯では仔羊の骨つきロースが使えなくなりました。

 

今までギリギリのラインで血を出しながら頑張りましたが、もう無理です。

 

ですので、今後は特別コースとかそういう感じでないとキャレダニョーを出せません。

 

東さん、すいません。

 

来月からいろいろなものが値上げになります。

ジリジリと値上げされているものの、値下げってのはワインくらいしか見当たりません。

関税撤廃や段階的な減額措置においても、例えば乳製品は総合的な割り当て分が毎年決まっており、それからはみ出した分は適用外です。

なので、建前としては下がる、無くす、ということになってますが、その影響はかなり限定的です。

 

食材に限らず、各所からの締め付けも厳しくなって来ており、レイチェルカーソン風にいうと業界的にぐうの音も出ない沈黙の春です。

 

一流品をカジュアルに、という私のコンセプトは根本的に無理な時期にきているようです。

 

 

 

 

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