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2019年01月23日

なし崩し的に

クレープ・シュゼット始めました。

 

 

毎年恒例となってきました。

 

マキシムが閉店した今、もはや絶滅したと断言していいでしょう。

 

ここ池尻では、あの世に逝った素晴らしい料理たちを、織田無道が呪文を唱えるかのように

死者と会話するぞ!

お前を現世に引き戻すぞ!

というように、インチキ臭い蘊蓄語りながら作りたいと思います。

 

酸味を残しつつ、甘さを加えてリキュールでキレを出します。

フランス料理のアプローチそのままに作られたソースをたっぷりと吸い込み、デロデロに膨れ上がったクレープ。

熱々に熱せられたクレープとエロい艶を伴って光るソースに投下されるヌルリとしたバニラアイスはダラダラとクレープのヒダヒダの間に沿ってだらしなく、卑猥に、豊満に、イヤらしく流れ出します。

 

 

 

塊肉の考察

ある程度の厚さは必要だと思いますけど、あまりにも分厚い肉は表面の焼き色、頭のいい人たちの言うメイラード反応ってやつね、これがないと旨いと感じないのではないかと思うのですよ。

 

 

これ、だいたい400gなんですけど、この辺が一つの限界点かなと。

 

これ以上デカイ場合は二枚にして表面積広げて焼いた方が旨いと思うんですよ。

 

 

これもだいたい400g

これは旨そうだし、実際に旨い。

肉汁がたっぷりあって、焼き色もある。

サクサクと食べられるんですね。

 

何でもかんでもデカければ良い、塊原理主義は突き詰めて考えると牛肉のローストビーフになるわけです。

肉の面積がデカイので、一人前に切るとペラペラの紙みたいな感じになって、焼き色のある部分はほんの少し、ロゼの肉を楽しむのは良いんですけど、焼き色の香ばしい部分、インテリぶるとメイラード反応な部分は少しだけだとステーキとしては旨くないのではないのでしょうか。

なので、私はローストビーフを食べるのが苦手です。

やはり、バキッと焼かれた表面が紙のように薄くあり、中は完璧なロゼというのが今のところの答えですね。

当然、肉の表面の脂はじっくり焼くと焼き切れて旨い脂が残りますが、もっと肩寄り、部位でいうと肩ロースやリブロースは中にゴツい脂があるので、塊原理主義的に丸ごと焼いた時にはブルブルとしていて気持ち悪い。

 

だとすると、同じ1キロ焼くにしても2枚とか3枚にして焼いた方が旨いと思うようになりました。

 

豚でも牛でも理想的なのは骨つきで厚さ4センチまで、それ以上はカットしてソテーする方が好き。

 

ちなみに、骨つきってのは焼き縮みが少ないからです。誰が言い出したか知りませんけど、骨つきは骨のエキスが肉に移るとか

骨に近い方が旨いよ説も嘘です。

骨があることで焼き縮みしてないからこそ旨いのです。

焼き縮みすると肉汁が放出するので骨をつけたいのです。

脂たっぷりジューシーハンバーグを肉汁タップリって言ってるのと同じです。

 

今日はヒマな割にはイベリコ豚を1.5キロも焼きました。

 

旨い肉はサクサクいけますね。

 

明日もヒマですので、更なる高みに到達する肉焼きを研究したいと思います。

 

 

 

ちなみに

過去最高はチーズマンの600gが殿堂入りしてます。

 

なかなかチーズマンの壁は超えられないと思いますね。

イベリコ選手権

今の所、自己申告トップは400g

二位はRXボスの350gとなってますが、

あくまでも自己申告なので、これから1ポンドの壁を打ち破る方が出てくるやも知れません。

 

おっと、こうしているうちに巨匠カメラマンのKさんがメールで

420g宜しく!

というオークションみたいな細かい刻み方で暫定トップです。

 

最終回

この本の撮影も最終回となりました。

 

最後に私のポートレートを撮って終わりました。

 

あー、長かったです。

足掛け1年。

こんなに長く撮影期間とったのは野菜本以来ですね。

 

今までやって来たことを整理整頓出来たような気がします。

 

原稿はまだ残ってますが、校了した時には

カタルシスが得られるのでしょう。

全部終わったら、少し抜け殻になっても良いかと考えてます。

これで7冊目となり、一旦料理書も打ち止めとします。

やりたいのは服部文祥のようなアルパイン登山と狩猟文学に料理の要素を加え、森達也的な反体制的視点を思いっきり足して2で割らなかったようなドス黒くて陰鬱でゲバ棒で傷口をグリグリされるような救いようのない本を作りたいですね。

 

 

 

 

さて、久しぶりに今日はヒマでどうしようかな、などと考えます。

常連さんがイベリコ指名してくれたので、芸術品のような火入れをお見せしたいと思います。