2018年06月18日
敗退
結果的には去年と同じあたり、ランの18キロでリタイアです。
気がついたらメディカルテントで点滴してました。極度の脱水症状と熱中症です。
今年は今までにないくらい天気が良く、気温も30度を超えたと思われます。
個人的に調子が非常に良く、3.8キロのスイムは自己ベストに近い80分でスイムアップ。
10分で着替えた後、バイクは8時半頃にスタート。
ペースは抑えて抑えて後半に備えました。
抑えていてもアベレージ30キロで推移し、これまた非常に調子が良い。
抜かれることはほとんどありません。
バイクは集中的に練習したので成果が出ているのかも。
長崎五島独特の登りか下りしかない山岳中心のバイクコースレイアウトはどれだけ抑えても後半必ず脚にきます。
恥ずかしい話、ラストは道玄坂のような登りでもインナーローなんです。
太陽が昇り、気温がぐんぐん上がった12時あたりから補給がうまくいかなくなり、気温も疲労もピークの150キロ過ぎたあたりから、がっくりペースが落ち始め意識朦朧、液体を採っても吐いてしまい、当然の事ながら固形物は採れません。
なんとかかんとか手元のサイコンでは180キロのバイク6時間11分でフィニッシュ。
これは自己ベストです。アベレージもこのコースにしてはほぼ30キロで走れました。
今思えば、バイクで突っ込み過ぎたのかも。
無理してる自覚はなかったのですが。
この時点で疲労困憊。
トランジットエリアでしばし座り込んでしまい、これからフルマラソンを走らなければならないという絶望感に30分ほど打ちひしがれ、このまま10日ほど休みが欲しいな、すき家で鰻丼食いたいな、エスニックソーセージ売れてるかな、などとどうでもいい事を考えてました。
さて、ランスタート。
何度やっても、どう考えてもおかしい正気の沙汰ではないのですが、やっぱりここからフルマラソンなのです。
まさに地獄でした。
ランの開始から全く脚が動きません。
脚が動かないというより、身体が動かない。
身体も動かなければ、内臓はセルフハンガーストライキに入ったらしく、何も受け付けません。
食べても飲んでも動いても嘔吐します。
吐いても何も出てこないんでけど。
はい、ここ勝負どころです。
ここが脳内ストップがかかる瞬間です。
ここで止めれば良いんですけど、これからがロングの真骨頂。
この焦燥感、猛烈な痛みと吐き気、痙攣、そしてまだフルマラソン走らなければならないという圧倒的な比類なき絶望感。
この痛みがほしくてわざわざ1年かけて来ているわけです。
簡単にやめてしまっては一番美味しい所を残してしまいます。
ここからの地獄ような時間こそがご褒美のような至福の時なのです。
そんな時、限界まで追い込まれた人間は何を考えてると思います?
あと何キロをどのくらいのペースで行こうか、すれ違った人の人数数えて今何位くらいだろうか、なんてポジティブな事を考えるのはまだ戦えている選手で、アドレナリンやドーパミンがドバドバ出てる選手です。
勝負から降りているにもかかわらず、完走できる見込みもなく、もはや何のためにやっているのか分からない人間はそんなこと考えてません。
はたまた、リタイヤしたらみんなの笑い者だ、このジャージに泥を塗ったヘタレ野郎だ、もう引退勧告だ、なんてネガティヴ思考にもなりませんでした。
あー、昨日のウニ丼美味かったなぁ、フランス勝ったけど、なんだかスッキリない勝ち方だったなぁ、昨日の飛行機のCAさんがかわい子ちゃんだった…
他にもエロい事を色々と。
この辺りで補給取れてない為に低血糖から来るフワフワ思考となってます。
もの凄くエロい事を考えても、進んでる距離はたった150mくらいなもんです。
そしてその時は突然きます。
片道10.5キロを2時間かけて折り返し、また、同じ道を辿って、途中のエイドステーションで倒れ込んで15分寝て、なんとか起き上がって市内に戻りかけた瞬間、脚が完全に止まりました。
18キロを4時間かけて歩きました。
道端に倒れこんでそのままメディカルテント直行。
点滴を入れながら、ああ、悔しいけれど、これが今の私なのだ。残念だけど出し切った、やりきった。
そんな事を考えていたように思います。
宿に戻って布団直行。
泥のように寝たら、疲労感もなくスッキリ。
まだやれたのかも。
今後トライアスロン続けるかどうか、わかりません。
負ければ引退と言っていた事もあり、どうするのかは静かに考えたいと思います。
とりあえず、内臓は復活してきて空腹感が凄いので、まずは回復に努めます。