2018年02月06日
お次のテリーヌ
ブルゴーニュの葡萄畑のど真ん中にレストラン・グールーズという博物館級の店があります。
その店のスペシャリテ、パテ・アレクサンドル・デュメーヌです。
今でも味を思い出すくらい、激烈に美味かったです。
私が食事に行った20年前、すでにグランシェフのムッシュは95歳。
ボキューズさんですら、その爺ちゃんの遥か後輩。
そのムッシュが自ら作るパテが絶品でした。
本当か嘘か今となってはわかりませんが、俺は直接デュメーヌから教わったんだ、
とムッシュは言ってました。
帰りがけにムッシュの料理本を買わせて頂き、穴が空くほどボロボロになるまで読んだのを思い出しました。
今回はそのパテをミニサイズで。
だって本家本元は巨大で断面が靴底くらいあって、あの大きさだからこそ表現出来る旨さであるのは理解出来ましたが、あまりにもデカすぎる。
味わいの本質である肉感のポイントを押さえ、ブリゼ生地の厚さもファルスの量に比例して薄くし、バランスを重視します。
浅めのロゼの火入れでありながら、肉にも生地にもしっかりと火が入り、その生地に肉汁を染み込ませ、そのゼラチン質による生地とファルスの結着。
思えば、あのパテを食べたことが私がシャルキュトリーに興味を持つきっかけだったのだと思います。
あのパテを超えるものをパリでもリヨンでも未だかつて出会っていません。
北欧風東京フレンチなんて論外、フランスシャルキュトリーの本質理解してるコックは絶滅危惧種。
私の時間は止まったまま。あのパテをまた食べる事はもう出来ないのでしょう。
まだまだ改良すべき点があり、完成形ではないのですが、今のところ私が思う1番旨いパテアンクルートを仕込みます。
今日は材料のマリネ、明日火入れ、一晩休ませて明後日くらいからいきます。
これぞフランス料理の真骨頂、本当のガストロノミーをお見せしますよ!
成功すれば…