2018年01月11日
私のオヌヌメチキン
チキン料理で、一番好きな調理法は?
と、聞かれれば答えは15年前から決まってます。
それを仕込みました。
これはフランス料理独特の調理法でして、何も難しいものではありません。
しかし、メチャンコ美味しいにも関わらず、ほとんど陽の目を見ないで今日まで来ている可哀想な料理なのです。
それはなぜだ!
と、またいつもの賄いタイムに議論になりました。
というか、私がギャーギャーわめいただけの話ですが。
多分、プロセスのイメージが悪すぎるんでしょうね。
日本人には到底受け入れられない、想像を遥かに超えた調理法なのでしょう。
日本は水の国でして、例えば茄子のアク抜きは水にさらします。
でもフランスでは水にさらすのは味が抜けちゃうと思って塩を振ってアク抜きします。
水が貴重なモロッコでは油で揚げちゃいます。
国によって様々。
日本人にはクレイジーとも取れるメソッドが、その国にとっては当たり前だったりする訳です。
その調理法とは、肉を油の中でじっくり煮込むことで柔らかく、また味の流出を防ぐと同時にそのまま油につけておけば常温でも保存が可能、そして何より美味いという、未だにそれを超える調理法、保存法はこの世に存在しないコンフィです。
鳥をコンフィにすると、ローストチキンでは出せない味わいが出ます。
シンプルに鳥の旨味を感じることが出来ます。
しかし、鳥のコンフィとメニューに書いたり、外で売ったりすると、一般的ではないコンフィという調理法の説明をしなくてはなりません。
ケンタッキーフライドチキンもやってることはコンフィです。
カーネルおじさんのチキンは油でじっくり煮込んで柔らかいのですよ!
と、営業トークや宣伝してたらここまでケンタッキーフライドチキンは日本で大きくはならなかったでしょう。
なぜなら、日本人にとって油は悪なのです。
水の国に油は不必要なのです。
日本料理のクレイジーなところ、つまりわかりやすい特徴は世界的に見ても、圧倒的に油を使わないというところに尽きます。
油食べたらコレステロールが大変!
血管詰まって死んじゃう!
油は悪だ!
ですんで、コンフィがどれだけ旨いかを知っていただくためには、コンフィという言葉を使わずにどうやってオヌヌメできるかどうかが絶対に必要なのです。
でも食べたら絶対ハマります。
断言できます。
コンフィは油で煮ることで鳥自体の油は抜けてさっぱりとサクサクに仕上がるんですけどね。
鳥のコンフィって、クラフトビールに合うかもね、とりあえず実験してみよう、腐るものでもないし、次回RX福田氏ご来店の際にロングルートエールと一緒に出してみよう。という軽いノリでチキンコンフィを仕込んだのですが、持ち前のなぜなぜ病と研究魂がモッコリして来まして、こんな考えに至りました。
と言うことで、明日以降にオギノチキンがデビューしますので、数量限定、ブログの読者限定でお待ちしてます。
お前達のオヌヌメのチキンを出したまえ、とコールしてください。
あ、RX福田氏は次回自動的にオギノチキンとロングルートエールの組み合わせでいかせて頂き、クラフトビールと食べ物の関係性について議論させていただきます。
超長々と書きましたが、ただの中吊り広告です。