2017年11月09日
フォアグラについて一言
一言で終わらないんですけどね。
フォアグラは鴨と鵞鳥が有りますが、日本で食べるなら鴨択一です。
鵞鳥は日本に来るやつはダメです。
ヤッツケ鵞鳥フォアグラしか日本には来ないです。
たまには鵞鳥フォアグラでテリーヌ作りたいですが、満足できる材料に出会った事無いです。
最高級の鵞鳥で作るテリーヌは鴨のそれよりはるか上をいく味わいなんですけどね。
最近私がお熱を上げているのがスペインの鴨フォアグラです。
このフォアグラはガバージュしないタイプでナチュラルな感じです。
ガバージュして無理やり肥大させたモノより健康的なフォアグラなので火入れしてもヘタりません。
脂もほとんど出ませんね。
この脂が大事。
火入れのやり方によってはレバー部分を残してババッと脂が出てきてしまいますが、いかに脂を出さずにレバーに火を入れるか、ここが腕の見せ所。
実はこれ、火入れのやり方以前に血管を取り除く掃除の段階でほとんどが決まります。
チンタラ掃除していると手の熱で溶けてきます。一度溶けたバターは元には戻らないのと同じく、ここで脂溶かすと後々火入れした時にえらい事になります。
掃除する為には少し戻して柔らかくしなくてはならないのですが、戻し過ぎると脂が溶けるし、固過ぎると掃除出来ません。
この頃合いが難しい。
スピーディに掃除して、サッとマリネして、フォアグラが気付かないうちにボクちゃん火が入っちゃったよ、的な火入れをしなくてはダメです。
何度で何分とかいうマニュアル仕事もだめ。
掃除した時のフォアグラの状態、脂の融点、香り、手の感覚などで判断して温度と時間を決めます。
火から引き上げるタイミングもフォアグラのご機嫌を損ねないギリギリの浅さで行われるべきなのです。
これはジビエ同様、経験がモノを言う範疇ですね。
ウチのフォアグラ料理は私しか作りませんし、作れません。
他で食べることもほぼないので、比べる事もありませんが、火入れやバラエティに関してかなり自信あります。
今回のテリーヌはキャラメリゼリンゴと重ねました。
ブリオッシュを添えてます。
フォアグラはスピーディに掃除してカルバドスでマリネ。
保存目的ではなく、旨さ最優先なのでサッと浅く浅く火入れしてます。
ネットリとした味わいを苦味効かせたキャラメリゼリンゴが更なる高みへ連れて行くイメージですね。
苦味とバランス取るために蜂蜜も少しだけかけます。
しっとりチキン、トリュフ風味の根セロリと組み合わせた前回のモノも好きですが、一般ウケするのはこちらでしょう。