2017年06月08日
果物本、本日発売です。
アマゾンみたらまだ予約受付中とかって書いてますが、いちおう版元からは今日発売ですよ連絡あったのでインフォメーションします。
代官山T-SITEも見てきましたが、まだ並んでませんでした。。。
ご予約下さった方には近日中に届くと思われます。
いままでありそうでなかったという果物本。
実はこの企画は野菜本を作った直後に持ち込まれたものでして、
え~、果物で一冊やるんすか?
というノリでした。
でも、一般的には果物を軸にした料理本というのは本当に無くて、私も一通り見回りましたが、やはりこれというものは見つかりませんでした。
確かに、日本では果物はデザートという位置づけが一般的でヨーロッパの果物の位置づけとは少々違うのだな、日本でもああいう面白い果物の使い方ができねぇかなぁ、と漠然とは思ってました。
モロッコでは乾燥した地域故、水というものがいかに貴重なものかを料理を通して学びました。
例えば、洋ナシと牛肉のタジン。
洋ナシが持つ水分をじんわりと出させ、その水分で牛肉を煮込む。
煮込む際に出る水蒸気すら、クスクスを蒸すための水分として使う。
うほほ、こりゃすげぇや。
乾燥しているがゆえにフルーツは味が濃く、豊富な種類があり、年間通して食べられるようにドライフルーツが山のように盛られ、色とりどり様々な種類が売られていました。
これは水の国である日本には無い文化と大変勉強になりました。
茄子の灰汁抜きも日本では水に漬けますが、ヨーロッパでは塩をするか油で揚げることが一般的。
スイカにチーズ添えて食べるマグレブの人々、レモンをかけて食べるイタリア人、メロンに酒をぶっかけただけの料理をテラスで楽しむフランス人。
日本人からして、その食べ方は大変アグレッシブにも見えます。
本文にも書きましたが、日本の果物とヨーロッパのそれは似て非なるもの。
そもそもの素材の成り立ちとポテンシャル、食べ物としての考え方が違うのですね。
そのあたりが本書を作るきっかけであり、また一番大事にしたところです。
プロの方向けの本ではありますが、一般の方にご覧いただいても楽しい内容となっております。
そもそも、私の料理は全くもってシンプルというか、簡単というか、テク無しというか、素材ありきのたいしたことないものが多いので、ちょっと料理好きな方ならチャレンジできると思います。
品川、渋谷、湘南の各店に見本も置きますので、是非内容をご確認いただいてからお求めくださいませ。
もちろんレストランでも販売しております。
果物の消費が落ち込む昨今の日本において、この本が料理をする皆様の食卓をちょっとでも楽しいものとすることができ、生産者の皆さんのヒントや頑張るきっかけになることをがあれば、こんな幸せなことはありません。