2017年05月25日
ズッキーニのコンポート
ニョキニョキズッキーニを何とかせねばなりません。
もちろん、ネガティブな意味ではなく、季節の恵みを思い切り味わっていただく最良の方法を考えているのです。
そんなときが一番楽しいし、一番苦しい。
当たり前のことですが、畑で野菜を作るということは自然のサイクルによるところが大きいわけです。
オーガニックになればなおさらでしょう。
モノカルチャーな工業的農業とは違い、多様性豊かなオーガニック農家さんの畑にはいろいろなものが同時進行で植えられており、気温や降水量によって一気にニョキニョキしてしまい、作っている農家さんもビックリ、みたいなことが度々起こるんです。逆もまた然りですので、農業とは難しい。
とはいえ、素材を作れない私たちコックなんて、どれだけ偉そうにしたところで素材がなければ丘に上がったカッパ。
メニューを書いて必要な材料を買うということがエゴではないか、とも思えてくる今日この頃。
そんなことはないんですけどね。
なるべく畑の都合に沿ってやっていきたいので、その時あるビンビンの素材で考えるというスタンスは今後も続けていきたいです。
そのためには料理の引き出しが必要。
常に勉強して、アンテナ張って、なんでも美味しくできるコックこそ、ウチの目指すところであります。
今頃、アトリエで南極2号が頭から煙りだしてデリを考えている頃でしょう。
前置きがいつもながら長くなりました。
ズッキーニを飴色玉ねぎとニンニク、オリーブオイルと一緒にオーブンでじっくりと煮込んでいきます。
塩をかなり多めにするのが夏野菜料理のポイント。
夏野菜はほとんどが水分ですので、塩をビビると味がぼけます。
くたくたになって、出てきた水分が煮詰まるころ、姿形がなくなるあたりがズッキーニ美味しさの頂点でしょう。
それをビネガーなどで味付けして、しっかりと冷やして一晩寝かせ、味を落ち着かせた後、先日から仕込んでいた牛の生ハム、ガスパチョと一緒にさらに盛り、上からチーズとレモン汁をたっぷりと。
明日からの前菜です。
これから高知のニョキニョキが収まるまで当分はズッキーニ使った前菜で行きます。
こうやって引き出しが増えていくのでしょうね。
何事もとにかくやってみることが大事。