2016年02月16日
ウサギきました。
画像はありません。
今回は白兎でした。
雪深い秋田青森のウサギは雪と同化するために白いんですね。
そもそも秋田や青森の日本海側ではウサギを蛋白源として昔から食べる文化があり、秋田では飼育ウサギも肉屋さんで売られています。
秋田の猟師さんに伺ったお話しでは、捕まえたウサギの腹を真っ先に開き、湯気の出るような温かい腸を軽くゆでて醤油で食べるのが猟師のたのしみだったんだそうです。これはすごい。
毛皮は防寒具にしたり、毛を焼き切ってカリカリになるまで乾燥させて食べ、骨は杉の切り株の上で包丁でたたいていくと、大きな骨は杉板に刺さり、残った細かい骨だけ団子状にしてみそ汁の具にして食べるんだそうです。最終的には何も捨てることなくありがたくいただくとのこと。
人間の知恵、自然の恵みに対する畏敬と感謝の気持ちを反映させた料理文化、私はこういうネタが大好きです。
当店でもなるべく捨てないようにとは思いますがさすがに毛皮はどうすることもできないので始末しますが内臓も骨もすべて料理に使います。
先日専門誌の取材で後世に残すべき料理は何ですか?と聞かれましたので、野兎のロワイヤルです。とお答えしました。
熟成の見極め、下処理、だしの取り方、さばき方、煮込み方、火入れの見極め、仕上げの精度と最後に加える血液の扱いなどなど、超絶技巧ともいうべきフランス料理の集大成の料理であると思ったからです。
何かを間違えると、最後はとんでもない料理になり、熟成の衛生管理や内臓の扱いもいい加減だと簡単に食中毒で事故ります。
これほどに腕の試される料理もないと思います。
昔、15年前パリのタイユヴァンで食べたロワイヤル、それこそ最高の料理だと思ってました。
自分でいうのもなんですが、それを超えたと自負しています。
今回は3羽来ましたので、同時に3羽のロワイヤルやります。こういう煮込み料理は多ければ多いほどおいしくできます。
去年までは1羽づつチマチマやってましたから味のノリがそれほどでしたが今年は今までで最高の出来になると思います。
せっかくなので、私の納得いく出来にしたいので、熟成若いうちはやりません。
今常温で寝かせてますが、早くても3月初旬ではないでしょうか。
臭くていやだとか、適当なことを言っておりますが、実はやる気満々です。
この料理に関してはパリの三つ星にも負ける気がしません。
ということで、お好きな方限定になってしまいますが、ぜひ渾身の一撃を召し上がっていただければと思います。
熟成の進み具合によって出来上がる予定が見えてくると思いますので、改めて仕込みをしてお出しできる日をまたこちらにアップしますので、要チェックよろしくお願いいたします。