2014年09月16日
名作。
傑作。
フランソワ・オゾンの17歳。
エロいシーンが大盛りですが、それ目的ではなく、やはりオゾンが描く17歳と言う微妙な年頃の性への真正面からの表現が素晴らしい。
本人がゲイであることも作品に影響していると思います。
結末を観客に投げ掛け、徹底的に考えさせる。
思春期は余りにも脆く、危うく、美しい。ランボーの詩のように。
クラスメイトに全く興味も無く、ただゲームのように売春にハマる主人公の何処か冷めた感情が腹上死した常連のムシューによって、解きほぐされたのは、単に離婚した父親への飢えた愛情や、自分の価値の確認などと言うありきたりで薄っぺらなものではなく、もっと深い。後に泣きながらムシューについて語るシーン、もしやムシューの事が好きだったのかも。答えは誰にもわからない。
ラストのシャーロット・ランプリングとのシーンはさすが。実の母親でなく亡くなった常連のムシューの奥さんに本音語れると言うことがある意味で思春期の不確定さであり脆さなのか。このシーンが夢なのか現実だったのかは重要ではない。
シャーロットも男に金を払わせてみたかった。主人公と今のシャーロットとの違いはただひとつだけ。
女子から女性への階段を登る途中、思春期という名の踊り場でもがき、苦しむ主人公が素晴らしい映像と甘い音楽に乗せて季節ごとの時系列で描かれており、オゾンワールド全開。
好きな人は好きでしょうが、嫌いな人はオゾンを二度と見ないでしょうけどね。
私はこの手の映画が大好物。