2011年10月08日
本番です。
いや、そっちの本番ではなくてですね、ジビエですよジビエ。
私はスタッフに恵まれてまして、仕込みのほとんどは彼らにお任せして普段はトレーニングに勤しんでいるわけですが、唯一絶対に任せられない仕事がこのジビエです。
ジビエってのは業者さんが持ってきてくれた時からすでに料理は始まってまして、美味しい食べ時を見極めなきゃいかんのです。いわゆる”熟成”ってやつです。
涼しい所で吊るして死後硬直している細胞をアミノ酸が壊して旨みに変えていく工程ですね。タイミングを通り過ぎるとそれは”腐敗”になります。
温度と湿度、風通しなどが重要です。言葉で説明できない勘と経験のみを頼る作業です。
しかしながら、ヨーロッパと空気中の細菌が違うからなのか、赤身のジビエは熟成がフランス産のものを使っていてもなかなかどうして同じようにはならんのです。
寝かしておいても、埃っぽい嫌なにおいが勝ってきてイマイチです。だから新しいままの美味しさで勝負します。
その代わり、白身のものは内臓が溶けるくらいギリギリまでやります。これはいい感じ。食べると奥歯の辺りが旨みで痺れる位がちょうどいい。テリーヌ作る時も同じく旨み全開のタイミングで詰め込みます。
この見極めが非常に難しく、一歩間違うととんでもないことになりますんで、責任をとるためにも私がきっちりやります。
チーズ熟成師ならぬジビエ熟成師。もうすでに100羽以上仕入れてます。だてに都内でダントツの数を扱ってません。